大内教弘

大内教弘

大内教弘（おおうち のりひろ）は、室町時代中期の守護大名です。周防・長門・筑前・豊前・肥前の守護を歴任し、大内氏の第13代当主として活躍しました。父は第11代当主の大内盛見（または大内持盛の次男とも）。山名宗全の養女を妻とし、政弘らの父でもあります。

幼名は六郎。元服の際に6代将軍・足利義教から偏諱を受け、教弘と名乗りました。通称は新介、周防介。官位は左京大夫、大膳大夫、従五位下、従四位下を歴任し、死後には従三位が贈られています。

生涯

従兄弟にあたる第12代当主・大内持世の養嗣子となり、嘉吉元年（1441年）に持世が嘉吉の乱で死去したため、後を継いで当主となりました。これにより、周防・長門・筑前・豊前の4ヶ国を領有することになります。当主就任後は幕命に従い、嘉吉2年（1442年）には九州探題・渋川教直と共に少弐教頼と交戦。宗氏を頼って対馬へ逃れた少弐氏を討伐するため、李氏朝鮮に対して対馬の一部割譲を提言しています。嘉吉3年（1443年）には、山名氏との関係を強化するため、石見守護であった山名熙貴の娘を持豊（宗全）の猶子として娶りました。

文安3年（1446年）には、長門国守護代であった鷲頭弘忠を解任。さらに文安5年（1448年）には弘忠を深川城にて攻め滅ぼしました。鷲頭氏は大内氏と同族であり、大内氏が周防国を征服するまで同国の守護を務めていた名家でした。弘忠が筑前国粥田荘の本家代官の地位を利用し、領家代官を追放して支配下に置こうとしたことが、教弘の怒りを買ったとも言われています。教弘は領内の荘園を保護する一方で、東大寺領であった周防国の国衙領にも夫役を課すなど、守護権力の強化に努めました。

大内氏は安芸東部の東西条を領有していましたが、安芸中央の分郡守護・武田信繁・信賢父子と対立。文安4年（1447年）に安芸へ侵攻しました。長禄元年（1457年）には、婿である厳島神社神主・佐伯親春が信賢に所領を横領されたため教弘を頼り、教弘は信繁の居城である佐東銀山城と己斐城を攻めました。しかし、幕府の命令を受けた毛利煕元・小早川煕平・吉川之経らの救援により、両城の奪取に失敗。幕府は教弘の大内氏当主の地位を剥奪し、嫡男・亀童丸（後の政弘）に与えることとしました。なお、長禄3年（1459年）には、長禄合戦に敗れた斯波義敏が亡命しています。

寛正2年（1461年）には、幕府は斯波義敏を匿っていることを理由に教弘討伐を決定。教弘の領土だった東西条を武田氏に与え、引渡しの命令を伝えるために小早川煕平を山口に派遣する検討をしました。これに反発した教弘は、平賀弘宗・小早川盛景らと共に東西条に出陣。細川氏及び幕府の支援を受けた武田氏と戦い、大内氏の勢力を安芸・石見・肥前に拡大しました。細川氏と朝鮮との交易（日朝貿易・日[[明貿易]]）を巡って争い勝利し、朝鮮と通交します。寛正4年（1463年）になると、先の処分が取り消され、名実ともに大内氏当主に復帰しました。この頃、出家したとみられています。寛正6年（1465年）6月に幕府は先の東西条を武田氏に渡す命令を取り消して大内氏への返還を決定しますが、管領として幕政に大きな影響を与えていた細川氏との対立は幕府との関係を悪化させていきます。この年の8月、幕命に従って伊予の河野通春討伐に伊予に渡海。すると逆に通春と手を結んで四国における細川勝元の軍に対して優位に戦いましたが、9月3日、興居島で死去。享年46。死後、家督は長男の政弘が継ぎました。

また、文化にも造詣が深く、雪舟を招聘して明に渡海させようとしたり、和歌や連歌にも通じていました。

偏諱を与えた人物

大内政弘（嫡男）
大内教豊（大内氏一門）
小早川弘景
平賀弘頼

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