.taipei

.taipei（ドット タイペイ）は、インターネットのドメインネームシステムにおいて、特定の地域を示すために設けられた地理的トップレベルドメイン（gTLD）の一つであり、具体的には台湾の首都である台北市に紐づけられています。これは、ウェブサイトやメールアドレスなどのインターネット上の「住所」において、その発信元や関連性が台北市にあることを明確に示す役割を果たします。

このドメインの導入は、台北市政府主導で進められました。2013年に市政府がICANN（インターネット名前空間割当機関）へ申請を行い、翌2014年には承認を得るに至りました。これは、台湾において国名コード（ccTLD）ではない地理的な名称を持つドメインとして初めての承認例となりました。承認後、その年の末からは、まずは台北市および隣接し広範な大台北地区を構成する新北市の区域内に拠点を置く法人に限定して登録受付が開始されました。

その後、登録対象は段階的に拡大され、2015年9月9日からは、全世界の個人や法人を対象とした一般登録が始まり、誰でも申請手続きを行うことが可能となりました。これには日本を含む海外からの申請も含まれます。また、ドメイン名に繁体字や簡体字といった漢字を使用できる点も特徴の一つです。これにより、現地利用者にとってより親しみやすいドメイン名の選択肢が提供されています。

ドメインの運用状況に関して、2016年秋時点のデータでは、2,599件のドメインが登録されており、これまでに213万台湾元の収入があったと報告されています。しかしながら、ドメインの申請から承認に至るまでの過程で、台北市政府が1,000万台湾元以上を費やしたとされることから、導入にかかった費用と比較して、その効果や収益性について市議会内で疑問の声が上がったことも報じられています。

現在、.taipeiドメインは台北市に関連する様々な組織やサービスで利用されています。例えば、台北市政府の公式サイトの一部（xx.gov.taipei）をはじめ、市民の生活に密着した公共サービスに活用されています。具体的には、台北市の公共交通機関である台北捷運（metro.taipei）、台北市の観光情報を提供する公式ウェブサイト「臺北旅遊網」（travel.taipei）、市民や旅行者向けの無料Wi-fiサービス（wifi.taipei）、さらには市政府関連の非接触型決済プラットフォーム（pay.taipei）など、多岐にわたる分野で利用されており、台北市のデジタルプレゼンスを強化する一助となっています。これにより、インターネット上で台北市に関する情報を探す利用者が、より迅速かつ確実に信頼できる情報源にアクセスできるようになっています。

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