007は二度死ぬ (映画)

『007は二度死ぬ』

『007は二度死ぬ』は、1967年に公開されたアクションスパイ映画であり、ジェームズ・ボンドの第5作目です。この映画は、アルバート・ブロッコリとハリー・サルツマンの共同製作のもと、ルイス・ギルバートが監督し、ロアルド・ダールが脚本を担当しました。原作は、イアン・フレミングの同名小説です。

本作の特徴として、オープニングが香港で始まるものの、物語の大部分は日本国内で展開される点があります。特に、姫路城や霧島山新燃岳など、日本の風景が多数使用され、ボンドのオートジャイロ「リトル・ネリー」と敵ヘリコプター部隊との空中戦は、特に印象深いシーンです。また、丹波哲郎が日本の情報機関のボスを演じ、若林映子と浜美枝がボンドガールとして登場します。

ストーリーの概要

物語は、アメリカの宇宙船ジュピター16号が謎の飛行物体に捉えられ、米ソ緊張が高まる中、イギリスの情報機関MI6が日本が関与している可能性を推測します。この調査のため、ショーン・コネリー演じるジェームズ・ボンドが派遣されます。

冒頭では、ボンドが香港で偽装死を遂げるシーンが描かれ、そこから彼は海軍の潜水艦に保護されて日本に向かいます。彼の任務は日本の公安のトップ・タイガー田中（丹波哲郎）と接触し、情報を集めること。タイガーからはアキ（若林映子）を紹介され、彼女を通じて日本の状況を把握しようとします。

ボンドは次々に現れる敵に立ち向かいながら、大里化学という企業の社長との面会を試みますが、身分を偽っていることがバレそうになり、危険な目に遭います。その後、ボンドは敵の基地が火山の内部に隠されていることを知り、潜入作戦を決行します。

アクションとサスペンス

ボンドは特殊訓練を施された忍者部隊と協力し、様々な試練に挑みます。アキは敵に毒殺され、ボンド自身も命を狙われますが、その度に危機を乗り越えて行く彼の姿は、シリーズの魅力を引き立てています。また、物語全体を通じて米ソの宇宙進出に関連する緊張感が漂い、国際的な陰謀が背景に展開されている点も見逃せません。

キャラクターと演技

本作では、ショーン・コネリーがボンド役として名演技を披露し、その存在感で観客を惹きつけます。また、日本人キャストも大いに活躍し、日本の文化や風俗が映画に色濃く反映されています。この作品には、主要キャストの他にも多くの俳優が脇役として参加しており、丹波哲郎の演じるタイガー田中は、ボンドの頼りになるパートナーとして存在感を放っています。

技術と制作

撮影はフレディ・ヤングが担当し、美術にはケン・アダムが携わりました。映画の中で見られる特撮やアクションシーンは、当時の技術の粋を集めており、壮大なスケール感が感じられます。また、主題歌にはナンシー・シナトラが歌う「You Only Live Twice」が使用され、これも印象的な要素となっています。

最後に

『007は二度死ぬ』は、ただのアクション映画に留まらず、西洋と東洋の文化が交錯した作品です。視覚的にも美しく、ストーリー展開が巧妙に絡み合い、観客に強烈な印象を残す名作となっています。映画史においても重要な位置を占める一作であり、ボンド映画の中でも特に愛されている作品の一つと言えるでしょう。

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