032型潜水艦

032型潜水艦について

032型潜水艦（NATOコードネーム：清級）は、中国人民解放軍海軍が運用している通常動力型潜水艦です。この艦は、各種兵器の開発や試験を目的としており、6,628トンの水中排水量を誇るため、通常動力型潜水艦の中では世界最大のサイズとなっています。

設計

032型は双殻式設計を採用しており、外見上はゴルフ型潜水艦と似た特徴を持っています。腹側に突出した「ベイ」が設計の特徴で、これにより潜水艦内部の機器や兵器を効率的に配置することが可能です。この潜水艦の開発は2005年に始まり、武漢造船所で建造が進められました。2010年には進水し、2012年には海上試験を完了、同年10月にはペナント・ナンバー201として正式に就役しました。

032型潜水艦は、様々な新技術のテストベッドとして利用されています。具体的には、内燃機関を搭載した魚雷、特殊部隊のための専用区画、水中無人機、そして新型の弾道ミサイル（SLBM）や巡航ミサイル、対艦ミサイル、さらには新型のSAM（地対空ミサイル）や脱出ポッドの開発にも寄与しています。これらの技術は、095型および096型原子力潜水艦の研究にも適用されています。

仕様

032型潜水艦の詳細なスペックは以下の通りです。

• - 全長：92.6メートル
• - 幅：10メートル
• - 高さ：17.2メートル
• - 喫水：6.85メートル
• - 基準排水量：3,797トン
• - 水中排水量：6,628トン
• - 運用深度：160メートル
• - 最大深度：200メートル
• - 水上速度：10ノット
• - 水中速度：14ノット
• - 乗員数：最大88人の乗組員と約100人の科学者および研究者
• - 航海日数：乗員が88人の場合、30日、130人の場合は5日、200人の場合は3日

艦の武装には、船首に魚雷発射管が2本、右舷側に650mmの魚雷発射管、左舷側には533mmの魚雷発射管が装備されています。また、展望塔には潜水艦から発射可能な弾道ミサイル用のVLS（垂直発射システム）管が3本、巡航ミサイル、対艦ミサイル、対潜ミサイル用のVLS管が前方に4本設置されています。

船殻は複殻式となっており、耐圧性とともに安全性を高める設計が施されています。042型潜水艦の運用や技術開発の進展において、この032型潜水艦は非常に重要な役割を果たしています。

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