054A型フリゲート

054A型フリゲートについて

054A型フリゲート（英語: Type 054A frigate）は、中国人民解放軍海軍が運用する艦級のフリゲートです。NATOのコードネームは江凱II型フリゲートであり、この艦は054型フリゲートの成果を踏まえた量産型として開発されました。さらに、改良型の054B型フリゲートも現在建造中であり、約20隻が発注されているとの情報があります。

来歴

中国海軍は1990年代初頭からフリゲートの近代化に取り組んできました。最初に053H2G型を建造しましたが、防空ミサイルの性能が期待外れだったため、フランス製の053H3型に移行しました。後者は実用的な評価を受け、10隻が建造されましたが、中国海軍はさらなる外洋進出を目差しました。このため、053H3型の技術を基に新たに設計されたのが054型（江凱I型）です。この艦は2005年から2006年にかけて就役し、その成功を基に054A型が量産されています。

設計

054A型は054型からの改良を受けた設計となっており、量産機として多数建造されています。設計主任は引き続き徐青技師が務めており、基本的な船体構造は江凱I型と似ていますが、ナックルラインの位置変更や艦首の形状に改良が見られます。これにより、艦の操縦性や運用性が向上しました。

装備

C4ISR

054A型では電子機器の強化が図られ、新世代のZKJ-5が搭載されるようになりました。このシステムは、戦術データリンク装置としてもHN-900が基本装備されています。レーダーも新たに高性能なフレガートMAEにアップグレードされ、より高い探知能力を持つようになっています。

武器システム

054A型の最も重要な特徴の一つは、新開発のHHQ-16艦対空ミサイルシステムの搭載です。このシステムは、国産化されたロシア製9M317MEミサイルを使用し、射程が大幅に延長されています。また、730型30mmCIWSや76mm単装速射砲を配備し、対空・対艦戦能力を向上させています。特に、YJ-83艦対艦ミサイルは4連装発射筒から発射され、敵艦への攻撃能力が強化されています。

航空機

元々はZ-9Cヘリコプターが搭載されていましたが、その限界から新たにZ-20が導入され始めました。2020年からの運用テストに伴い、17番艦以降は船体の拡張が行われ、ヘリ格納庫のサイズも増加しています。

輸出型

054A型はパキスタン海軍向けに4隻が納入予定で、2017年12月と2018年6月に契約が結ばれました。これによりパキスタン海軍の防空能力が大幅に向上する見込みです。特に、054AP型に関しては、艦体や機関は054A型を基にしているものの、いくつかの兵装やレーダーに変更が加えられていると伝えられています。

登場作品

054A型フリゲートは、いくつかの漫画やアニメ、ゲームに登場しており、特に『空母いぶき』や『ルパン三世』などではその姿が描かれています。

このように054A型フリゲートは、中国海軍において重要な役割を担っており、その先進技術と設計の特異性が評価されています。

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