1-K 37mm対戦車砲

M1930 37mm対戦車砲 (1-K)

M1930 37mm対戦車砲（1-K）は、ソビエト連邦が開発した対戦車砲であり、その背後には独特の背景があります。1920年代後半、ソ連は対戦車砲の製造に着手しましたが、初期の試みはさまざまな失敗に直面しました。当時、ドイツはヴェルサイユ条約により新たな火砲の開発に制約があり、対戦車砲においても例外ではありませんでした。

特にドイツのラインメタル社が開発した新型37mm対戦車砲（後に3.7 cm PaK 36と呼ばれる）は、ドイツ国内での実射試験ができなかったため、ソ連との技術的な協力関係が築かれることになります。1922年のラパッロ条約によって、これらの国々は共同で実射試験を行い、新型の対戦車砲のサンプルをソ連に供与することに合意しました。この結果、ソ連側で開発されたのがM1930対戦車砲です。

この砲のデザインは、その外観がドイツのPaK 36と非常によく似ており、主に木製のスポーク車輪を有しています。しかしながら、M1930はともかくその存在はソ連の対戦車武器の基盤となりました。1932年には、口径を45mmに拡大した19-K (M1932) 45mm対戦車砲が登場し、M1930の生産は少数で終了しましたが、その後ソ連が採用する45mm口径の対戦車砲の基本設計はこのモデルに起源を持っています。また、BT-2快速戦車の主砲も、この37mm砲を基に発展したことが知られています。

1941年には、M1930 37mm対戦車砲も実戦に投入されましたが、多くの砲がドイツ国防軍に鹵獲されました。このことにより、同型のPaK 36と砲弾の互換性が生じ、砲はソ連軍に対しても使用される場面が存在しました。

スペック

• - 口径: 37mm
• - 全長: 未記載
• - 全幅: 未記載
• - 重量: 射撃時未記載 / 牽引時未記載
• - 砲身長: 1,665mm (45口径)
• - 仰俯角: -8° ~ +25°
• - 左右旋回角: 60°
• - 運用要員: 未記載
• - 発射速度: 10 ~ 15発/分 (最大)
• - 射程: 未記載 (高速徹甲弾) / 未記載 (標準榴弾)
• - 生産期間: 1931年 ~ 1932年
• - 生産総数: 509門

M1930 37mm対戦車砲は、ソ連の軍事技術の進化と国際的な軍事関係を象徴する一つのシンボルと言えるでしょう。この砲は、後の戦車砲や対戦車砲の設計に大きな影響を及ぼしました。

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