10区 (パリ)

パリの10区（10e arrondissement de Paris）

パリの10区は、フランスの首都、パリ市における20の行政区の一つで、市の北東部に位置しています。この区は、一般に「アントルポ区」とも呼ばれることがあります。五角形に近い形状を持ち、サン・マルタン運河が南北に流れ、区内の重要な特徴の一つとなっています。1999年のデータによると、10区の人口は89,612人です。

位置と地理

10区は、セーヌ川の北側にあり、モンマルトルの丘の南東に位置します。面積は2.89平方キロメートルで、北側は18区、北東は19区、南側は2区、3区、11区、そして西側は9区と接しています。このように、様々な区と接することで、文化や雰囲気の多様性を享受しています。

文化と歴史

ここでは、2015年11月13日に発生したパリ同時多発テロ事件のように、歴史的な出来事が区の影響を与えることもあります。また、10区には多くの文化施設が点在しています。たとえば、扇子美術館や数々の映画館、劇場があります。著名な劇場にはアントワーヌ劇場やポルト・サン＝マルタン劇場があり、多くの人々が訪れるスポットとなっています。

商業施設

商業面では、サン＝カンタン市場やパサージュ・デュ・プラド、パサージュ・ブラディなどがあります。特にパサージュ・ブラディはインドやパキスタン系の店舗が多く見られるため、異文化の交流が感じられます。

交通の便

この区は交通の要所でもあり、パリ北駅やパリ東駅といった主要なターミナルが存在します。これにより、北部へと向かう国際列車や国内の列車が頻繁に発着し、観光客や地元民にとって便利な交通手段が整っています。

住民と人口

10区の人口は1881年に159,809人に達した後、減少し続けています。1999年には89,612人にまで減少し、2005年にはさらに88,800人に減少すると推定されています。この減少に伴って、人口密度も低下傾向にあり、1999年時点での人口密度は30,986人でしたが、依然としてパリの他の地区に比べて高い925人/km²の密度を誇ります。

観光名所

建築物としては、映画『北ホテル』の舞台となった北ホテルや、ルイ14世が建造したサン＝ドニ門（凱旋門）があります。また、緑地などの憩いの場としては、アルバン＝サトラーニュ小公園やヴィルマン庭園があり、地元の人々と観光客に親しまれています。

著名な出身者

10区出身の著名な人物には、画家のギュスターヴ・カイユボットや、ラジオ放送作家のロベール・デスノス、女優のジャンヌ・モローなどがいます。この区は、多彩な文化を育んできた場所でもあります。

10区は、パリの街の一端を支えつつ、歴史と現代が交差する独特なエリアとして、多くの人々にとって興味深い目的地であり続けています。

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