10.20成田現地闘争

10.20成田現地闘争

10.20成田現地闘争（じゅってんにいまる なりたげんちとうそう）は、1985年10月20日に千葉県成田市で発生した抗議活動で、新左翼の中核派や三里塚芝山連合空港反対同盟北原派が成田空港問題を巡り、警察との激しい衝突を繰り広げました。この抗議活動では、多くの逮捕者が出ると同時に、空港施設への攻撃も行われました。

背景

新左翼の党派は、1985年に成田空港問題を中心に集結し、全国から約10万人を動員して集会やデモを展開しました。特に、政府広報が成田空港の二期工事着工を告知する内容が発表されると、新左翼の活動家たちは緊迫感を募らせ、「二期工事阻止」のための過激な行動を本格化させました。中でも、1980年の韓国での光州事件を受けた影響もありました。

事件の経過

総決起集会

この日に、成田空港の二期工事に反対する集会が三里塚第一公園で開催されました。警察側は、参加者からの過激な行動を防ぐため、厳しい警戒を行いましたが、午後3時51分に中核派の指導者が激しいアジ演説を始めると、参加者たちは隠していた武器を取り出し、武装しました。

集会の終盤には、白いジェットヘルを身に着け、黒い装束で武装化した彼らは、成田空港への侵入を試みました。

三里塚交差点での衝突

これに伴い、デモ隊と警察の間で衝突が発生しました。参加者の数十人が機動隊に突進し、集団で攻撃を試みました。機動隊側も放水や催涙ガスを使用し、デモ隊の制圧に乗り出しました。この結果、警察官59名が負傷し、激しい闘争が展開されました。最終的に、241人が逮捕され、警察への公務執行妨害などの罪に問われることとなりました。

管制塔襲撃

衝突の最中、革労協による一連のゲリラ攻撃も発生しました。彼らは空港内外で放火事件を引き起こし、一時的に空港機能が麻痺しました。また、偽装消防車による攻撃も計画され、管制塔への攻撃が試みられました。火炎放射器が故障し、計画は未遂に終わりましたが、管制塔の一部が破損する事態となりました。

事件のその後

この事件は、警察の事前警戒の不備を厳しく批判され、周辺住民からも反発を招きました。中核派は今回の闘争を意義ある前哨戦と位置付け、抗議行動を続けていく方針でした。本事件によって、組織内部にも大きな影響があり、以降は大規模な闘争が続きませんでした。

事件から10年後、主要な参加者は有罪判決を受け、成田市議会は過激派の集会に対する規制強化を行いました。これによって、反対派の集会が制限され、地元住民の間には安堵の声が上がりました。

このように、10.20成田現地闘争は反対派と警察の衝突の中で、特に成田空港問題に対する抗議の激化を象徴する出来事となりました。

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