10.5cm leFH 18

10.5cm leFH 18の概要

10.5cm leFH 18（ドイツ語: 10,5-cm-leichte Feldhaubitze 18）は、ドイツが第二次世界大戦前に開発した軽榴弾砲で、1918年に制式採用されたことを示す名称が付けられています。この名称は、ヴェルサイユ条約の制限の中で新しい大口径火砲の開発が禁じられていたため、過去に設計されたものを名目上、新しいものとして位置付ける意図がありました。

この軽榴弾砲は、1929年から1930年にかけて、10.5cm leFH 16の後継としてラインメタル社によって設計され、1935年にはドイツ国防軍によって正式に採用されました。続いて1940年には10.5cm leFH 18M、1942年から1943年には10.5cm leFH 18/40が登場し、これらは主に師団砲兵の主力野戦榴弾砲として使用されました。

軍事的な功績

10.5cm leFH 18は、特にドイツ陸軍と武装親衛隊の両方で広く使用され、戦争のあらゆる段階で活躍しました。この榴弾砲は、また中国やフィンランドをはじめとした他国にも輸出され、フィンランドでは105 H 33として制式採用されました。さらに、ハンガリー、ブラジル、スペインなどにも輸出され、戦争後もオーストリアやチェコスロバキアでの運用が見られました。

設計と機能

10.5cm leFH 18は非常に標準的な構造を持ち、開脚式の砲架を採用して水平射角を拡大し、液気圧式の駐退復座機で軽量化が図られていました。1936年には、試作段階の木製スポークホイールから軽合金製の鋳造車輪へと変更されました。牽引方法も多様で、馬やトラクターに加え、Sd.Kfz.6/1やSd.Kfz.11といった半装軌車両が利用されました。

1943年以降は新しい自走榴弾砲の開発が進みましたが、通常は装甲砲兵連隊の第1大隊には新型が配備され、第2大隊には10.5cm leFH 18が使用され続けました。

弾薬の種類

この榴弾砲は、様々な弾薬を用意しており、榴弾のほかに徹甲榴弾、成形炸薬弾、発煙弾、曳光弾、焼夷弾などがあります。特に対戦車用のPzgr.39 (TS)や長射程用のSprgr.42 (TS)などは、珍しい機能を持った弾薬でした。これらの弾薬は、戦地での多彩な用途にも対応できるよう設計されています。

後継機種と改良型

第二次世界大戦が進むにつれて、10.5cm leFH 18の射程不足が問題視され、改善を目指して新型の開発が行われました。これには、砲架を改良した10.5cm leFH 42や、改良された砲身を持つ10.5cm leFH 43、さらに様々な仕様の砲架との組み合わせが計画されましたが、実際にはいずれも正式採用には至りませんでした。

派生型の展開

01系の野砲である7.5cm FK L/42も10.5cm leFH 18に影響を与えました。また、10.5cm leFH 18M、10.5cm leFH 18/39、10.5cm leFH 18/40、10.5cm leFH 18/42といったバリエーションが各国で使用されました。特に、対戦車能力の向上や射程の改善を図る改良も施され、装甲列車や他の戦車にも搭載されるなど多様性を持った兵器となっていきました。

結論

このように、10.5cm leFH 18は第二次世界大戦で非常に重要な役割を果たした軽榴弾砲で、多くの国で運用され、以降の砲兵システムにも影響を与えました。武器としての進化は、戦争の過程での様々な教訓を映し出すとともに、個々の運用実績が当時の戦術に大きな影響を与えたことを示しています。

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