100部隊

100部隊の概要

100部隊（100ぶたい）は、大日本帝国陸軍が1936年に設置した部隊で、正式には関東軍軍馬防疫廠と呼ばれます。この部隊は満州の長春に位置し、軍用動物、特に軍馬の衛生管理や研究を主な目的としています。名前の「100部隊」は、コードネーム「満州第100部隊」の略称に由来しており、当時の日本陸軍のすべての部隊にこのようなコードネームが与えられていました。

設立の背景

1936年8月、大陸地域での軍用動物の衛生管理を目的に、関東軍軍馬防疫廠が設立されました。この部隊は、一個師団に約3000頭の軍馬が必要とされる時期に、長期的に安定した軍用動物の供給を目指していました。ただし、大陸の放牧地で育成される馬は一般的に体型が小さく輸送には不向きでした。日本軍は日露戦争後にアラブの血統やサラブレッドなど、高品質の馬の育成と改良を試みていましたが、100部隊は現地の馬も育成し、さらなる改良を模索しました。

部隊の活動

部隊設立当初、兵員輸送のニーズに応えるためには、馬の数が不足していました。しかし、砲兵連隊では大砲を牽引するために、品種改良された体格の良い馬の育成が求められたため、100部隊ではそのような馬の飼育も行っていました。また、この部隊は昭和11年度の兵備改善計画の一環として創設され、関東軍防疫部と連携して、感染症や血清製造、軍馬移動時の検疫など多岐にわたる研究と管理業務に従事しました。

部隊の人員構成は、1938年2月末時点で軍人14名、軍属85名、さらに247頭の軍馬が保有されていました。1945年の日本の敗戦まで、この部隊は関東軍の隷下組織として活動を続け、軍用動物の衛生管理に尽力しました。特に、軍馬の感染症に関する研究や、移動時の検疫作業、さらには物資支援のための馬の育成など、多岐にわたる業務を行いました。

組織としての機能

また、100部隊は、補充馬廠などに所属する兵員の教育機関としての役割も果たしており、軍用動物の衛生管理に関する知識や技術を普及させるための研修も行われました。さらに、防疫対策として業務に従事する軍人や軍属の一部が、軍馬に対する試験研究も実施していました。

歴代廠長

100部隊にはいくつかの歴代の廠長がいました。

• - 高島一雄 一等獣医正：1936年8月1日 - 1940年3月9日
• - 並河才三 獣医中佐：1940年3月9日 - 1942年7月1日
• - 若松有次郎 獣医大佐：1942年7月1日 - 終戦 （1945年6月10日獣医少将に昇進）

参考文献

• - 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。

100部隊は、多様な活動を通じて、軍用動物の管理や研究に大きく貢献しました。その成果は、当時の軍事戦略においても重要な役割を果たししたと言えるでしょう。

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