血清

血清の概要

血清（けっせい、英語: serum）は、血液が凝固した際にできる淡黄色の液体成分です。血液は、血漿と呼ばれる液体部分と血球成分に分かれますが、血清はその中でも凝固成分をほとんど含まない上澄みの部分を指します。血清は主にアルブミンとグロブリンというタンパク質を含み、これらの値は特定の病気の存在を示唆することがあります。特に、感染症や腫瘍、内分泌系、甲状腺の検査に広く使用されています。

血漿と血清の違い

血液は基本的に血漿（約55%）と血球成分（約45%）から成り立っています。血漿は水分が大部分を占め、その他にはタンパク質や無機質、糖質、脂質などが含まれます。一方、血液を採取し放置しておくと、凝固により沈殿物ができ、そこから血清が得られます。血清は凝固因子を含まないため、血漿検査とは異なる結果が得られることがあるため注意が必要です。

血清の利用

血清は、さまざまな血液検査に利用されます。例えば、感染症検査ではB型肝炎やC型[[肝炎]]ウイルスの抗体検査、腫瘍マーカー検査では肝細胞癌や膵癌の指標を測定します。また、甲状腺ホルモンの測定も行われ、これらの検査により病気の早期発見や診断が可能になります。

血漿の利点

血漿は抗凝固剤を使用して採取されるため、凝固成分が含まれており、いくつかの測定においては血清よりも正確な結果を得やすいという利点があります。血漿は遠心分離を行うことで直ちに検体が得られるため、検査の迅速化にも寄与します。

血清の成分

血清にはさまざまな成分が含まれています。主成分であるアルブミンの割合が減少する際、特定の病気の存在を示すことがあります。たとえば、肝疾患や腎臓の病気がある場合、アルブミンが減少することが知られています。また、ビリルビンは赤血球の破壊に関連しており、肝臓の問題があると血清中で増加し、黄疸の原因となります。

血清脂質

血清に含まれる脂質は、主に中性[[脂肪]]やコレステロールで、これらは人体に重要な役割を果たします。中性[[脂肪]]はエネルギー源として、コレステロールはホルモンや細胞の構成に関与しますが、バランスを欠くと動脈硬化のリスクが高まります。特に、悪玉コレステロールが増加すると血管への悪影響が懸念されます。

血清病

血清病は、馬の抗血清が抗原として働くことにより引き起こされる副作用です。過去には抗血清が治療に用いられていましたが、免疫反応による合併症が多発したため、現在ではあまり使用されていません。血清病の症状は軽いものから重篤なものまであり、アナフィラキシーなどの場合もあります。

結論

血清は、さまざまな病気の診断において重要な役割を果たしています。血清と血漿の違いや、血清に含まれる成分の変動は、個々の病態を理解する上で重要です。今後も血清の利用や研究は進むことが期待されます。

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