100m道路

100m道路とは

100m道路とは、戦後の復興計画の中で構想された、幅員が約100メートルの大通りのことです。これはあくまで通称・総称であり、日本全国に多数存在するわけではありません。実際に「100m道路」と呼ばれる道路は、愛知県名古屋市に2本、広島県広島市に1本のみ存在します。

概要

100m道路は、太平洋戦争で甚大な被害を受けた都市の復興計画の一環として、戦災復興院によって立案されました。1945年12月に閣議決定された「戦災復興計画基本方針」の中で、将来の自動車社会を見据え、主要幹線道路の幅員を大都市で50m以上、中小都市でも36m以上と定めました。さらに、緑地帯や防火帯としての役割も兼ね備えた100m幅の道路建設が計画されました。

当初は全国で24本の100m道路が計画されましたが、連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）の反対や、ドッジ・ラインによる緊縮財政の影響で、ほとんどの計画は縮小されました。結果として、名古屋市と広島市の3本のみが、100m幅の道路として実現しました。

現存する100m道路

現在、100m道路と呼ばれているのは、以下の3本の道路です。

久屋大通 - 愛知県名古屋市
若宮大通 - 愛知県名古屋市
平和大通り - 広島県広島市

これらの道路は幅員こそ100mありますが、全幅が車道として利用されているわけではありません。中央分離帯は緑地公園として整備されており、連続した車道部分の幅員は40m以下となっています。

その他の類似の道路

100m道路ではありませんが、同様の幅を持つ道路や公園がいくつか存在します。

大分いこいの道 - 大分県大分市：幅員100mの道路
水島緑地 - 岡山県倉敷市
大通公園 - 北海道札幌市
* 柳町公園 - 北海道釧路市

また、過去には東京都内でも複数の100m道路が計画されましたが、いずれも幅員が縮小されています。

まとめ

100m道路は、戦後の都市復興の象徴とも言える存在です。自動車交通の円滑化だけでなく、都市の景観形成や防災にも貢献する役割が期待されましたが、様々な事情により、ごく一部しか実現しませんでした。しかし、現存する道路は、今もなお都市のシンボルとして、市民に親しまれています。

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