12時開演!

『12時開演!』は、1978年4月3日から同年9月29日までの約半年間、毎週月曜日から金曜日までの正午から12時30分にかけて、フジテレビ系列局で放送されていた日替わりバラエティ番組枠です。フジテレビによって制作されたこの帯番組は、その名の通り「正午に開演」することを強調したユニークな構成でした。

この番組枠の大きな特徴は、曜日ごとに全く異なる企画が用意されていた点にあります。単一ジャンルの番組を帯で放送するのではなく、トーク番組、屋外でのロケーション企画、視聴者参加型のゲーム番組など、バラエティに富んだ様々な内容が日替わりで提供されました。これにより、毎日違う趣向で視聴者を楽しませることを目指していました。

当時の各曜日の番組タイトルと主な出演者は以下の通りです。

月曜日：『あなたが主役!』 - 桂三枝（現在の六代桂文枝）、東八郎
火曜日：『おふたりさん!出番です』 - 春日三球・照代、出門英
水曜日：『おしかけ寄席』 - 青空球児・好児、もっちゃん（着ぐるみマスコットの「オシカケドリ」として出演）
木曜日：『買物ゲーム用意ド〜ン!』 - 近石真介、浮世亭ジョージ、大平シロー
金曜日：
前期：『電リク!スター歌謡曲』 - 宮尾すすむ、岡崎ひとみ
後期：『ヒットパンチショー』 - 井上順

番組開始時のオープニングも、そのタイトルに合わせて劇場のような演出が施されていました。正午の時報が鳴った後、開演ブザーを思わせる「ジーッ」という効果音に続き、観客の声のような賑やかな「12時開えーん！」というタイトルコールが響き渡ります。この時、9面マルチビジョン風のデザインが施されたタイトルカードが画面に映し出され、中央にその日の司会者のイラストが表示されてから、画面がズームアップして本編がスタートするという流れでした。

このオープニング演出は、基本的には共通していましたが、曜日ごとに微妙なアレンジが加えられていました。

火曜日：開演ブザーと「12時開えーん！」のコールまでは同じですが、中央に映し出された三球・照代のイラストと、スタジオにいる実際の三球・照代の映像が交互に点滅するような演出がありました。そして、スタジオの二人が改めて「おふたりさん！出番です」と番組タイトルをコールして始まりました。
水曜日：コールとイラストへのズームアップは他の曜日と同様でしたが、球児・好児のイラストにズームアップしたタイミングで番組タイトルのテロップが表示され、再び観客の声で「おしかけ寄席ー！」とタイトルがコールされました。
木曜日：この曜日は特に9面マルチビジョンを効果的に使用していました。開演ブザーの音と共にまず四隅のイラストが映し出され、その後に「12時開えーん！」のコールと共に、中央に近石・ジョージ・シローのイラストが表示されてズームアップするという演出でした。
* 金曜日：番組前期の『電リク!スター歌謡曲』では、開演ブザーの音はなく、宮尾すすむの「12時」という呼びかけに観客風の声が「開えーん！」と応える形でスタートしていました。しかし、後期に番組が『ヒットパンチショー』に変わってからは、他の曜日のような通常のオープニング演出に戻されたようです。

『12時開演!』は短期間の放送に終わりましたが、平日の正午という時間帯に、曜日によって異なる多様なバラエティを提供するという試みはユニークでした。同時期のフジテレビ系列では、同じ平日正午の帯番組として、主婦層を対象に「女」をテーマにした『愛情ゼミナール』という番組も放送されており、この時間帯に複数の帯番組が編成されていたことがうかがえます。

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