大平シロー

大平シローの生涯

大平シロー（本名：伊東博）は、1956年10月30日に大阪府泉大津市で生まれ、2012年2月9日に55歳でその生涯を閉じました。お笑い芸人、放送作家として、また時には俳優や実業家としても活躍した彼は、その多彩な才能で多くの人々を魅了しました。泉大津市立誠風中学校、大阪府立泉大津高等学校を卒業後、芸能界へと足を踏み入れました。血液型はB型で、2人姉弟の長男でした。

漫才師としてのデビュー

子役時代にはアカデミー児童劇団に所属し、多くのドラマや映画に出演。オール阪神とは中学校の同級生でした。ファッションモデルを経て松竹芸能の養成所に入所し、漫才トリオ・レツゴー三匹に師事。1976年には、養成所で知り合った大平サブローと「太平サブロー・シロー」を結成し、漫才師としてデビューしました。駆け出しの頃は相方が定まらなかった時期もありましたが、サブローとのコンビは比較的安定していました。

吉本興業への移籍

毎日放送の番組『ヤングおー!おー!』への出演を熱望し、吉本興業への移籍を考え始めますが、当時は吉本と松竹との間で芸人の引き抜きが禁止されていました。しかし、師匠であるレツゴー三匹が、シローとサブローの心変わりを察し、彼らが円満に吉本へ移籍できるように破門という形で後押ししました。

漫才ブームと独立

1980年代の漫才ブームに乗り、人気漫才コンビとしての地位を確立。1988年には吉本から独立し、東京の芸能プロダクションに所属。1992年にコンビを解散し、芸能社太平会館を立ち上げ、「太平 詞郎」と改名。同年、参議院議員選挙に立候補するも落選しました。

吉本復帰と晩年

1999年には吉本へ復帰し、放送作家としての活動を始めました。その後、大平マサヒコ（現：大平まさひこ）と漫才コンビを結成しましたが、すぐに解消。その後はピンで活動しました。かつての相方であるサブローとは絶縁状態とされていましたが、晩年には関係が修復され、サブローがトーク番組でシローについて語る場面もありました。吉本内部ではコンビ復活案も出ましたが、実現には至りませんでした。

タレント業以外にも、太平かつみ（現：かつみ♥さゆり）や小米良啓太（吉本新喜劇）ら多くの弟子を抱え、飲食店の経営も行うなど、多才な活動を展開しました。放送作家としては、本名の「伊東博」名義で『紳助の人間マンダラ』などの番組構成に携わりました。東京本社所属でしたが、東京での仕事は少なく、2006年の映画出演が久々のスクリーン登場となりました。

突然の死

2012年2月4日、大阪市内の自宅で倒れ、病院に搬送されましたが、2月9日に難治性心室細動のため死去しました。55歳という若さでした。死の翌日には、サブローが報道陣に対し、シローとのコンビ再結成計画を話し合っていたことを明かしました。

葬儀・告別式には、サブローやオール阪神、吉本興業会長の吉野伊佐男ら多くの関係者が参列。師匠であるレツゴーじゅんが「あんな漫才は出来ない。君は天才や」と弔辞を読み上げ、出棺の際にはオール阪神とおさむが「シロー、ありがとう!」と叫び、別れを惜しみました。戒名は「芸華博道信士」。

多彩なものまね

横山やすしや西川きよしなど、多くの有名人のものまねを得意としていました。そのレパートリーは幅広く、様々な人物を巧みに演じ分け、視聴者を楽しませました。彼のものまねは、松村邦洋や岡田圭右（ますだおかだ）など、後輩の芸人たちにも受け継がれています。

出演番組

ラジオ番組では、『今夜もHOT'N HOT』や『大平シロー、中邨雄二の笑たま』などに出演。テレビ番組では、『いたずらエンジェル おじゃ魔天使』や『はぐれ刑事純情派』など、ドラマにも出演。映画では、『ゴルフ夜明け前』や『旅の贈りもの 0:00発』に出演しています。また、多くのバラエティ番組やCMにも出演し、その活躍は多岐にわたりました。

弟子たち

太平かつみ（現：かつみ♥さゆり）、小米良啓太（吉本新喜劇）など、多くの弟子を育てました。彼らの活躍は、シローの指導の賜物と言えるでしょう。

大平シローは、その波乱万丈な人生と、芸に対する情熱で多くの人々を魅了しました。彼の遺したものは、今もなお、多くの人々に影響を与え続けています。

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