13mmゲージ

JMゲージ（13mmゲージ）の世界：精密な日本の鉄道模型

日本の鉄道模型界隈において、JMゲージ（旧称：13mmゲージ）は、独特の地位を築いています。その名の通り、軌間（線路幅）が13ミリメートルのこの規格は、主に1/80スケールの日本型車両を対象としており、リアルな縮尺と走行性能を両立させることを目指したものです。

黎明期：1/80スケールと軌間の不一致

従来、日本の1/80スケール鉄道模型は、軌間16.5ミリメートルの線路を使用することが一般的でした。しかし、これは実際の日本の鉄道の軌間（標準軌1067mmや狭軌1067mm）と縮尺が一致しておらず、模型愛好家の中には、より実物に近い走行体験を求める声がありました。

1950年代から、一部の愛好家の間で、1/80スケール車両の軌間を13ミリメートルに改造する動きが始まりました。これは、実物の2フィートゲージ（約610mm）を1/48スケールで再現した場合にも13ミリメートルになることから、そのアイデアが生まれたと考えられます。13ミリメートルにすることで、最小限の改造で、標準的な1/80スケール車両を実物に近い軌間で走行させることが可能になります。当時、スパイクモデル社などから改造用の部品が販売されていたことも、この動きを後押ししました。

規格の模索とJMゲージへの統一

しかし、初期の13ミリメートルゲージは、車輪の厚さなど細部がメーカーによってまちまちでした。そのため、一部メーカーの車輪では分岐器（ポイント）を通過することが困難な場合もありました。

こうした問題を解決するため、2003年、13mmゲージ規格検討委員会によって、薄型車輪（バックゲージ：11.5ミリメートル）を採用する新しい仕様が推奨規格として策定され、鉄道模型誌で発表されました。

名称についても紆余曲折がありました。1962年にはTM (Thirteen Millimetre) ゲージという名称が提案されましたが、既にイギリスで13.5ミリメートルの軌間にTMゲージが使われていたため、山崎喜陽氏らによって反対され、定着しませんでした。

その後、2009年1月、プロト13クラブの総会において、1/80スケール・13ミリメートルの名称をJMゲージとする事が決議されました。この名称が現在広く用いられています。

JMゲージの意義と現在

JMゲージは、日本の鉄道模型において、精密なモデルとリアルな走行を両立しようとする試みの結晶です。初期の規格のばらつきや互換性の問題も、長年の努力によって克服されつつあります。JMゲージの普及により、1/80スケールでより精緻な日本の鉄道模型の世界が広がっていると言えるでしょう。

関連規格

JMゲージ以外にも、様々な縮尺と軌間を持つ鉄道模型規格が存在します。代表的なものとして、16番ゲージ、HOゲージ、Jスケール、Sn3½、OJゲージ、ZJゲージ、35mmゲージ、12mmゲージ、TTゲージ、TT9などがあります。これら規格は、それぞれ異なる縮尺や軌間を採用しており、模型のサイズや走行性能、対象とする車両の種類などが異なります。

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