15cm K 16

15 cm K 16（15 cm Kanone 16）について

15 cm K 16は、1916年にドイツ帝国の軍により正式に採用された口径150mmのカノン砲であり、当時の戦況下で非常に重要な役割を果たしました。本砲は、ドイツ陸軍が長期間使用してきた急造砲の限界を乗り越え、高性能かつ扱いやすい火砲の必要性から生まれました。これに応じて、ラインメタル社とクルップ社の2社によって開発が進められました。

開発背景

当時、ドイツ陸軍の長距離砲のほとんどは、沿岸砲や艦載砲を流用したもので、性能に限界がありました。そのため、より先進的な火砲の必要性が高まり、ドイツ参謀本部による要請のもと、両社が各自の方式で設計しました。完成した砲はほぼ同等の仕様であったため、どちらのモデルも最終的にK 16として採用されることになりました。このようにして、両社から供給が行われましたが、クルップ社の方が多く生産される結果となりました。

設計と特性

15 cm K 16は、軍団級の火砲として設計され、長距離の対抗砲撃や阻止砲撃に対応できる能力を持っていました。特徴的な点として、砲架に対して砲身が非常に長く設計されており、コストのかからないオーソドックスなデザインが施されています。具体的には、単純な箱型の砲脚、大型の防盾、太いスポークの車輪が組み合わされていました。また、重野戦砲として重量もあり、輸送時には2つの部分に分解する必要がありました。

戦争での使用

第一次世界大戦では、この砲は連合軍に強く恐れられました。驚異的な射程22キロメートルを誇り、戦線の後方にある砲兵陣地や鉄道分岐点などの重要地点を狙い撃ちすることができ、連合軍は列車砲や大型の固定砲といった鈍重な火砲でしか対抗できなかったのです。

戦後の運命

第一次世界大戦が終結した後、残存していたK 16は戦争賠償として他国に引き渡され、その中でもベルギーが最大の受領国となりました。なお、ドイツ国内でも訓練用として少数の砲が保有されることが許可されました。第二次世界大戦では、ドイツ軍が自陸軍の砲を使用してポーランド侵攻を行ったほか、1940年の西方電撃戦においてベルギーを占領する際に見つかったK 16を再び接収し、15 cm K 429(b)として戦闘に投入しました。さらに、いくつかのK 16は、砲身を他の砲と組み合わせたK16 Mrs lafとして使用され続けることとなりました。

主要スペック

• - 口径: 149.3 mm
• - 重量: 10,870 kg（戦闘重量）
• - 砲身長: 6,410 mm（43口径）
• - 仰俯角: -3°~+42°
• - 射角: 8°
• - 発射速度: 3発/分
• - 射程: 22,000 m
• - 初速: 757 m/s

このように15 cm K 16は、その性能や使用された歴史から見ても、20世紀初頭の軍事技術における重要な一環となりました。

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