17式艦対艦誘導弾

17式艦対艦誘導弾（SSM-2）の概要

17式艦対艦誘導弾、通称SSM-2は、日本で開発された艦対艦ミサイルであり、1980年代に導入された90式艦対艦誘導弾（SSM-1B）の後継として設計されました。本ミサイルは、陸上自衛隊で使用されている12式地対艦誘導弾（SSM-1改）を基にしており、対艦攻撃能力を向上させるための様々な機能を備えています。

主な特徴

SSM-2の最大の特徴は、精密な誘導方式の改善です。従来の90式では中間航程で慣性誘導を用いていましたが、17式ではGPSを採用しています。このことにより、航行精度が大幅に向上し、発射後にも目標に関する情報をリアルタイムで更新できる機能が追加されています。このような技術により、敵艦船への攻撃はもちろん、地上目標への精密打撃も実現可能となっています。

また、SSM-2は射程の拡大や、複数の弾頭を同時に着弾させる能力も持っており、より効果的な攻撃が可能です。これらの機能は、特に有事の際に友軍を支援するための対地攻撃用途において大きな意義があります。

開発経緯

SSM-2の開発は、平成25年度から29年度にかけて行われ、試作段階から技術的な試験が数回実施されました。特に艦載試験は平成29年に試験艦「あすか」で行われ、この試験により艦船への実装の可能性が確認されました。

さらに、平成28年度に計画されたまや型護衛艦の2番艦「はぐろ」からもSSM-2の搭載が進められています。この護衛艦は最大8発のSSM-2を運用可能であり、艦隊の戦力を大きく向上させる要素となっています。

搭載艦船と派生型

SSM-2は、まや型護衛艦と、もがみ型護衛艦に搭載される計画として進められており、両型ともに最大8発を搭載可能な4連装発射機を装備しています。これにより、艦隊の戦闘能力は飛躍的に向上します。

さらに、2022年度までにはSSM-2を基にした改良型の12式地対艦誘導弾や、91式空対艦誘導弾の後継となる新型の開発も進行中です。これらの新システムは、令和5年度の予算において初めて取得予算が計上されており、今後の海上自衛隊の装備の充実が期待されています。

まとめ

17式艦対艦誘導弾は陸上自衛隊および海上自衛隊の戦力向上に寄与する重要な兵器であり、その技術革新は敵艦に対して高精度の攻撃を可能とします。今後もさらなる改良がなされ、戦略的優位性の確立に寄与することが期待されています。海上自衛隊の防衛力強化において、SSM-2の役割はますます重要となるでしょう。

もう一度検索