1715年ジャコバイト蜂起

1715年ジャコバイト蜂起

1715年ジャコバイト蜂起は、ステュアート家のジェームズ・フランシス・エドワード・ステュアート（老僭王）が、イングランド、アイルランド、スコットランドの王位奪還を目指した戦いです。しかし、翌1716年までに鎮圧されました。この蜂起は「十五年の乱」や「マー卿の反乱」とも呼ばれています。

背景

名誉革命（1688年 - 1689年）により、ジェームズ2世（スコットランドでは7世）はフランスへ亡命し、ルイ14世の保護を受けました。その後、メアリー2世とウィリアム3世が共同統治王として即位。1701年の王位継承法により、イングランド王位はプロテスタントのハノーヴァー家に定められ、1707年の合同法でスコットランドにも適用されました。1714年にアン女王が死去すると、ハノーファー選帝侯ゲオルク1世がジョージ1世として即位し、ホイッグ党が優位になり、トーリー党は政治力を失いました。

反旗を翻すマー伯

第23代マー伯爵ジョン・アースキンは、老僭王からの命令を待たずにスコットランドへ向かい、1715年9月6日に「ジェームズ8世および3世」の旗を掲げました。

これに対し、グレートブリテン議会は人身保護停止法を可決し、ジャコバイト領主のテナントが領主を支持しないと土地を得られる法案を可決しました。

スコットランドの戦闘

ジャコバイト軍はスコットランド北部で勢力を拡大し、インヴァネス、ゴードン城、アバディーン、ダンディーなどを占領。しかし、エディンバラ城の攻略は失敗。10月までに、マー伯の軍勢はフォース湾以北のスコットランドをほぼ制圧しましたが、スターリング城は攻略できませんでした。シェリフミュアの戦いでは決着がつかず、マー伯はパースへ撤退しました。

イングランドの戦闘

イングランド西部でもジャコバイトの蜂起が計画されましたが、政府の迅速な対応により阻止されました。ノーサンバーランドでは陽動作戦が実行されましたが、プレストンの戦いで政府軍に敗北しました。

その後

1715年12月、老僭王がスコットランドに上陸しましたが、ジャコバイト軍の勢いは衰えていました。1716年1月、マー伯はパースから撤退し、老僭王はスコットランドを離れました。

蜂起に参加したジャコバイトの多くは大逆罪で処刑されましたが、1717年の恩赦法により一部が恩赦されました。その後も、1719年にスペインの支援を受けた蜂起が試みられましたが失敗。老僭王の息子チャールズ・エドワード・ステュアートも1745年に蜂起しましたが、カロデンの戦いで敗北しました。老僭王は1766年に死去しました。

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