1839峰

1839峰：日高山脈の雄峰

北海道日高振興局日高郡新ひだか町にそびえる1839峰は、その壮大な山容から多くの登山家を魅了する山です。日高山脈の中部に位置し、標高1842メートルを誇ります。その名は、かつての標高1839メートルに由来するものの、現在の正確な標高は1842メートルであることが確認されています。

1839峰は、ヤオロマップ岳から西に伸びる支稜線上に位置し、日高山脈襟裳十勝国立公園に含まれています。その存在感は圧倒的で、周辺の山々の中でもひときわ目を引く存在です。

初登頂と測量の歴史

1839峰の初登頂は1929年7月、慶應義塾大学の斎藤長寿郎氏らの探検隊によって成し遂げられました。彼らはコイカクシュサツナイ川を遡上し、険しい山道を克服して頂上へと到達しました。冬期の登頂も記録されており、1934年3月には北海道大学の伊藤紀克氏らがコイカクシュサツナイ岳から往復しています。

山名の正式な記載は、国土地理院の地形図において1977年以降のことです。2万5千分1地形図「ヤオロマップ岳」および5万分1地形図「札内川上流」に山名が掲載されるようになりました。興味深いことに、1976年の測量で既に標高1842メートルと測定されており、この新しい標高が1977年の地形図に反映されています。

登山ルートと難易度

1839峰への登山ルートは様々ですが、いずれも容易ではありません。新ひだか町側から南西尾根を辿るルートは、積雪期に限定されます。ペテガリ山荘からの登山道はペテガリ岳までしか整備されておらず、そこからルベツネ山、ヤオロマップ岳を経て稜線伝いに進むことも可能ですが、長距離で這松帯の通過が困難なため、利用者は少ないです。

最も一般的なルートは、札内川とかちリュウタン湖の上流にある札内二股橋から出発します。コイカクシュサツナイ川を遡上し、標高645メートルの地点から尾根に取り付きます。その後、コイカクシュサツナイ岳、ヤオロマップ岳を経由して1839峰を目指します。このルートは、濃密な這松帯の通過が必須であり、札内二股橋から頂上まで約13時間、下山に約10時間、山中で二泊を要する、非常に困難な道のりです。

さらに、サッシビチャリ沢南面右俣直登沢、ナナシ沢川三ノ沢、ナナシ沢川北面直登沢など、沢から直接登るルートも存在しますが、高度な技術と経験が必要なため、熟練した登山者以外には推奨されません。

近隣の山々

1839峰周辺には、多くの魅力的な山々が連なります。近隣にはコイカクシュサツナイ岳（1721m）、ヤオロマップ岳（1794.3m）、ルベツネ山（1727.3m）、ペテガリ岳（1736.2m）などがあり、日高山脈の雄大な自然を満喫できます。

参考資料

梅沢俊、菅原靖彦、長谷川哲『最新第3版 北海道夏山ガイド4 日高山脈の山々』北海道新聞社、2020年
山と谷作成会議『新版 北海道の山と谷２ 日高・道東』富士コンテム、2018年

関連項目

北海道百名山
北海道の百名山
静内川
コイカクシュシビチャリ川

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