1852年アメリカ合衆国大統領選挙

1852年アメリカ合衆国大統領選挙の概観

1852年11月2日、アメリカ合衆国で実施された大統領選挙は、第17回目のものであり、多くの点で1844年の選挙を思い起こさせるものでした。この選挙は、ホイッグ党と民主党の間での熾烈な戦いを特徴としており、結果としてホイッグ党の衰退をもたらしました。

背景

現職大統領のミラード・フィルモアは、前大統領ザカリー・テイラーの死を受けて職務を引き継いだ戦争の英雄でしたが、ホイッグ党は彼を候補者から外し、ウィンフィールド・スコット将軍を選出しました。一方、民主党はフランクリン・ピアースを選びました。この時期、両党の間で主導権争いが繰り広げられましたが、両候補が対立する政治的立場はあまり明確ではありませんでした。

候補者の指名

ホイッグ党

ホイッグ党の指名集会は1852年にボルティモアで開催されましたが、党内の激しい分裂が見られました。フィルモア大統領を支持するグループは、1850年の妥協における州の脱退の失敗を大統領の成果として挙げました。一方で、北部のホイッグ党員はスコット将軍を支持し、彼の名声を重視しました。投票の末に、スコットが候補者に選ばれ、ウィリアム・グラハムが副大統領候補として指名されました。

民主党

対して、民主党では49回目の投票でフランクリン・ピアースが指名されました。彼はあまり目立たない候補でしたが、党内の対立を避けるために選ばれた妥協の候補者だったのです。副大統領候補にはウィリアム・R・キングが選ばれました。

一般選挙

一般選挙においては、実際にはホイッグ党と民主党の基本的な政策の違いが少なく、選挙運動は候補者自身の性格に大きく依存しました。このため、投票率は非常に低く、これは1836年以来最低の数値に達しました。ホイッグ党の候補スコットは、軍人としての名声にもかかわらず、選挙結果には結びつかなかったことがわかります。

選挙結果

ピアースとその副大統領候補であるキングは、スコットに対し圧倒的な勝利を収めました。選挙人投票では、ピアースが254票を獲得し、スコットはわずか42票という結果に終わりました。この惨敗は、ホイッグ党の衰退を決定づけるものとなり、党はその政治的生命を失うことになりました。

結論

1852年の大統領選挙は、アメリカ政治における重要な転換点となりました。ホイッグ党はその後、分裂と衰退を繰り返し、新興の共和党に取って代わられることとなります。この選挙を通して、政党間の衝突や政治的力関係の変化がより一層明らかになり、アメリカの歴史に新たな章を刻むことになりました。

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