1898年の
ウィンブルドン選手権は、
ロンドン郊外に位置する「
オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ」で開催されました。この大会は、歴史あるテニスの祭典として知られ、男子シングルスと女子シングルス、男子ダブルスの競技が行われました。
大会の流れ
大会の構造は、男子シングルスが1878年、女子シングルスが1886年から実施されている「チャレンジ・ラウンド」と「オールカマーズ・ファイナル」方式に則っています。この形式では、前年の優勝者を除く選手がチャレンジ・ラウンドに参加し、そこで勝者が前年の優勝者に挑戦する仕組みです。前年の優勝者は自動的にオールカマーズ・ファイナルに出場します。チャレンジ・ラウンドの勝者が優勝者決定戦で前年度の優勝者と対戦し、当年度の優勝者が決定されます。ただし、前年優勝者が出場しない場合、オールカマーズ・ファイナルは行われず、チャレンジ・ラウンドの決勝結果が記録されます。
この年は、女子シングルスの前年優勝者であるブランチ・ビングリー・ヒルヤードが不参加という状況でした。そのため、女子シングルスではオールカマーズ・ファイナルは行われず、チャレンジ・ラウンドの結果が優勝記録に反映されました。
初期の
ウィンブルドン選手権では外国人選手が少なかったため、地元
イギリス人選手の国旗表示は行われていませんでした。
前年度の優勝者
男子シングルス試合結果
チャレンジラウンド
- クラレンス・ホバート vs.
ジョシア・リッチー: 6-2, 3-6, 6-3, 6-2
-
ローレンス・ドハティー vs. J・M・フラベル: 6-2, 6-3, 3-6, 6-0
-
アーサー・ゴア vs. シドニー・スミス: 4-6, 6-0, 4-6, 6-3, 7-5
- ハロルド・マホニー vs. ジョージ・シモンド: 6-2, 6-4, 6-4
-
ローレンス・ドハティー vs. クラレンス・ホバート: 6-1, 6-4, 6-3
- ハロルド・マホニー vs.
アーサー・ゴア: 6-2, 3-6, 4-6, 6-2, 6-4
-
ローレンス・ドハティー vs. ハロルド・マホニー: 6-1, 6-2, 4-6, 2-6, 14-12
-
レジナルド・ドハティー vs.
ローレンス・ドハティー: 6-3, 6-3, 2-6, 5-7, 6-1
(この試合で
レジナルド・ドハティーが優勝)
女子シングルス試合結果
チャレンジラウンド
- P・レイ vs. C・モーガン: 6-0, 6-1
- ルイーズ・マーチン vs. E・R・モーガン: 6-2, 6-0
- エディット・オースチン vs. ルース・ディアス: 4-6, 6-3, 6-4
-
シャーロット・クーパー vs. バーサ・スティードマン: 4-6, 6-3, 6-4
- ルイーズ・マーチン vs. P・レイ: 不戦勝
-
シャーロット・クーパー vs. エディット・オースチン: 6-4, 6-1
-
シャーロット・クーパー vs. ルイーズ・マーチン: 6-4, 6-4
(この試合で
シャーロット・クーパーが優勝)
結果まとめ
オールカマーズ決勝:
レジナルド・ドハティー vs.
ローレンス・ドハティー: 6-3, 6-3, 2-6, 5-7, 6-1
チャレンジラウンド決勝:
シャーロット・クーパー vs. ルイーズ・マーチン: 6-4, 6-4
オールカマーズ決勝:
レジナルド・ドハティー&
ローレンス・ドハティー vs. クラレンス・ホバート&ハロルド・ニスベット: 6-4, 6-4, 6-2
外部リンク
- - 抽選表:男子・女子(男子はGrand Slam Tennis Archive、女子はTennisForum.com提供スレッドによる)
参考文献
- - Lance Tingay, “100 Years of Wimbledon”, Guinness Superlatives Ltd., London (1977) ISBN 0-900424-71-0
- - Bud Collins, “Total Tennis: The Ultimate Tennis Encyclopedia”, Sport Classic Books, Toronto (2003 Ed.) ISBN 0-9731443-4-3