19-K 45mm対戦車砲

M1932 45mm対戦車砲 (19-K) の詳細

M1932 45mm対戦車砲、またの名を19-Kは、ソビエト連邦が初めて自国の技術で開発した対戦車砲です。この砲は1930年代の初めに誕生し、将来にわたり多くの戦闘で使用されました。当初、ソ連はドイツの3.7 cm PaK 36をライセンス生産した1-K 37mm対戦車砲を製造していましたが、より強力な武器が必要とされました。そこで、既存の1-K対戦車砲を基に、大口径の対戦車砲の開発が決定され、1931年に19-K対戦車砲が完成しました。

歴史と生産

19-K対戦車砲は1932年から1937年にかけて生産され、総生産数は8,000門以上に達しました。生産を終えたのち、改良型である53-K 45mm対戦車砲が登場し、それに取って代わられる形になりました。大祖国戦争が始まると、M1932はドイツ軍との戦闘に投入されましたが、その性能には限界があり、特にIII号戦車やIV号戦車の装甲を撃ち抜くには300メートル以下の近距離でないと効果的ではありませんでした。そのため、主に軽装甲車両などを対象に使用されることが多かったのです。

日中戦争と日本軍の対応

興味深いことに、日中戦争の際にはドイツとソ連が中国国民党軍に対戦車砲を供与しました。この影響で、日本軍は捕獲したドイツ製37mm対戦車砲やソビエト製45mm対戦車砲を再整備し、「ラ式対戦車砲」と名付けて使用しました。この砲は日本軍の各部隊に配備され、独立速射砲中隊などで運用されたのです。

スペックと性能

M1932 45mm対戦車砲の具体的なスペックは以下の通りです。口径は45mmで、全長は牽引時において4.26m、全幅は1.37m、射撃時の重量は425kgとなっています。また、砲身の長さは46口径に相当します。このような仕様により、M1932は対戦車戦闘において一定の役割を果たしましたが、その限界も顕著でした。

砲の派生型

19-Kの派生型として、20-K 45mm戦車砲があります。これは19-Kを基にした戦車搭載型の砲で、さらなる戦闘能力の向上を図っています。

まとめ

M1932 45mm対戦車砲（19-K）は、ソビエト連邦の技術によって生まれた歴史的な兵器であり、数々の戦闘で活躍しました。その設計や生産の過程、さらには戦争における運用姿勢は、当時の戦車戦や対戦車能力の進化を示しています。本砲はその功績により、現在も多くの人々に記憶されています。

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