1912年のメジャーリーグベースボール

1912年のメジャーリーグベースボール

1912年のメジャーリーグベースボール（MLB）は、4月11日に始まり、10月16日にそのシーズンが幕を閉じました。この年のナショナルリーグではニューヨーク・ジャイアンツが6度目、アメリカンリーグではボストン・レッドソックスが8年ぶりの優勝を果たしました。特にワールドシリーズでは、ボストン・レッドソックスがニューヨーク・ジャイアンツを4勝3敗1分けで下し、初のシリーズ制覇を達成しました。

アメリカンリーグの覇者 ボストン・レッドソックス

アメリカンリーグでは、ボストン・レッドソックスが特に注目を浴びました。22歳のスモーキー・ジョー・ウッドが34勝を挙げ、守備の名手トリス・スピーカーがチームを牽引しました。レッドソックスの外野陣は「100万ドルの外野陣」として知られ、ハリー・フーパー、トリス・スピーカー、ダフィー・ルイスの3人が名を馳せていました。特にスピーカーはその卓越した打撃力と守備力で多くのファンを魅了しました。

ナショナルリーグの競争者 ニューヨーク・ジャイアンツ

一方、ナショナルリーグのジャイアンツは、開幕戦から絶好調のルーブ・マーカードが19連勝のメジャーリーグタイ記録を達成するなど、強力なチームでした。彼は通算26勝を挙げ、クリスティ・マシューソンも23勝でジャイアンツの投手陣の中心として活躍しました。

ワールドシリーズのドラマ

ワールドシリーズは、レッドソックスとジャイアンツの因縁の対決を描きました。8年前にジャイアンツがレッドソックスとの対戦を拒否した歴史があり、この戦いは両チームにとって特別な意味を持つものでした。シリーズは3勝3敗1分けで迎えた第8戦、延長10回の死闘が繰り広げられました。レッドソックスが同点に追いつき、最後に逆転サヨナラ勝ちを収め、彼らの栄光の瞬間となりました。

フレッド・スノッドグラスの落球

第8戦の劇的な幕開けとして、ジャイアンツのフレッド・スノッドグラスが守る中堅での落球が注目を浴びました。エンゲルの平凡なフライを落とし、試合の流れが変わるきっかけとなりました。スピーカーのヒットで同点に追いつくと、ガードナーの犠牲フライで試合に決着がつきました。この失策は「フレッド・マークルのボーンヘッド」とともに野球史に名を刻むこととなりました。

スモーキー・ジョー・ウッドの輝かしい成績

ボストン・レッドソックスの勝利に大きく貢献したスモーキー・ジョー・ウッドは、その後も野球界で語り継がれる選手となりました。1908年にメジャーデビューし、年々成績を向上させ、1912年には34勝を記録。だが、その後は怪我に悩まされ、打者としても活躍しました。彼は1919年に引退しましたが、野球界の八百長疑惑に直面することになりました。

ルーブ・マーカードの偉業

マーカードは、ニューヨーク・ジャイアンツの礎を築いた選手で、19連勝を達成するなど活躍しました。1913年にも続けて好成績を収め、彼の変化球が現在の投球スタイルに影響を与えたとも言われています。彼は1971年に名球会に選ばれました。

各選手の活躍

ウォルター・ジョンソンやヘイニー・ジマーマンなど、多くの選手がこの年に名を馳せました。ジョンソンは再び最多奪三振を記録し、「ビッグ・トレイン」として名を知られました。また、ジマーマンは最高打率と最多本塁打を記録し、野球界に名を残しました。

その他の出来事

今年はフェンウェイ・パークが開場し、ボストン・レッドソックスの新しい本拠地となりました。初の公式戦では観衆2万7000人を集めるなど、それ自体が歴史的な瞬間でした。さらに、6月28日にはクリスティ・マシューソンが300勝を達成したことで、彼もまた伝説的な選手として記憶され続けることとなりました。

このように、1912年のメジャーリーグベースボールは、数々の劇的な瞬間とともに、ファンにとって忘れられないシーズンとなりました。

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