1912年全米選手権 (テニス)

1912年全米選手権の概要

1912年に開催された全米選手権は、国内テニス界において重要な位置を占める大会です。この大会は1881年から1967年まで続き、各部門が別個に名称を持つ形で行われてきました。全米選手権は、テニスの四大大会の中でも特異な存在であり、男女それぞれの競技が異なる場所で実施されていました。

大会の流れ

全米選手権は、男子シングルス、女子シングルス、男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスの5部門に分かれており、それぞれの競技は異なる会場で開催されていました。

• - 男子シングルスは、初めてロードアイランド州のニューポート・カジノで行われました。この会場は、1914年まで男子シングルスの中心地となります。
• - 女子シングルスは、ペンシルベニア州のフィラデルフィア・クリケット・クラブで実施され、1887年から1920年までの間、この場所が女子部門の競技全ての舞台となりました。
• - 男子ダブルスと女子ダブルスも同様に、それぞれニューポート・カジノとフィラデルフィア・クリケット・クラブで行われていました。
• - 混合ダブルスとは、男女各選手のチームが競う形式で、フィラデルフィア・クリケット・クラブで実施され、1892年から1920年まで続きました。

優勝者決定方法の変更

1912年の全米選手権では、男子シングルスにおいて「チャレンジ・ラウンド」と「オールカマーズ・ファイナル」が廃止され、全選手が1回戦から参加する方式に変更されました。女子シングルスでは、1918年まで旧方式が引き続き実施されました。この変更により、前年度の優勝者は無条件で「オールカマーズ・ファイナル」に進出し、他選手は「チャレンジ・ラウンド」でこの挑戦権を争い、勝者が優勝決定戦に進む形式が取られました。

男子シングルスの結果

準々決勝

• - モーリス・マクローリン vs. リチャード・ウィリアムズ 6-4, 5-7, 6-4, 3-6, 6-3
• - ウィリアム・クローシャー vs. レイモンド・リトル 7-5, 6-0, 6-1
• - カール・ベア vs. ジョージ・チャーチ 6-2, 6-2, 6-0
• - ウォレス・ジョンソン vs. ワトソン・ウォッシュバーン 8-6, 6-2, 3-6, 6-3

準決勝

• - モーリス・マクローリン vs. ウィリアム・クローシャー 8-6, 6-2, 3-6, 6-4
• - ウォレス・ジョンソン vs. カール・ベア 4-6, 6-0, 6-3, 6-2

決勝

最終的にモーリス・マクローリンがウォレス・ジョンソンを相手に接戦を制し、優勝を果たしました。セットスコアは3-6, 2-6, 6-2, 6-4, 6-2でした。

女子シングルスの結果

1912年の女子シングルスの優勝者は、前年のチャンピオンであるヘイゼル・ホッチキスが結婚のため不参加となり、アデレード・ブラウニング、メアリー・ブラウン、エレオノラ・シアーズなどが競い合いました。最終的にはメアリー・ブラウンがエレオノラ・シアーズを6-4, 6-2のスコアで下し、優勝を果たしました。

ダブルスと混合ダブルスの結果

男子ダブルスでは、モーリス・マクローリンとトーマス・バンディがペアを組み、レイモンド・リトルとグスタブ・タッチャードに勝利。女子ダブルスでは、メアリー・ブラウンとドロシー・グリーンが優勝しました。混合ダブルスではリチャード・ウィリアムズとメアリー・ブラウンが栄冠を勝ち取りました。

このように、1912年の全米選手権はテニスの歴史に新しい記録を刻み、今後の大会に向けて重要な変化をもたらしました。

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