1920年のメジャーリーグベースボール

1920年のメジャーリーグベースボールの出来事

1920年のメジャーリーグベースボール（MLB）は、数々のドラマと歴史的な出来事に彩られました。この年の4月14日にシーズンが開始され、10月12日にはすべての試合が終了しました。ナショナルリーグではブルックリン・ロビンスが4年ぶりの優勝を果たし、一方アメリカンリーグではクリーブランド・インディアンスが加盟以来初のリーグ制覇を成し遂げました。

リーグの競争と優勝

ナショナルリーグのブルックリン・ロビンスは、投手バーリー・グリムズの23勝、外野手ザック・ホィートや一塁手コネッチらの活躍により、チーム打率.277を記録して優勝しました。アメリカンリーグのクリーブランド・インディアンスは、スタン・コベレスキとジム・バグビーがそれぞれ24勝と31勝を上げ、トリス・スピーカー監督がプレイヤーとしてもチームを引っ張り、リーグ優勝の栄冠を手に入れました。

優勝した両チームに個人タイトルはありませんでしたが、ワールドシリーズでは、クリーブランド・インディアンスがブルックリン・ロビンスを5勝2敗で下し、初のワールドシリーズ制覇を達成しました。特にスタン・コベレスキは3試合で3勝を挙げ、わずか2点しか許さない活躍を見せました。また彼が登板した第5戦ではエルマー・スミスが満塁ホームランを記録しました。

主な選手と記録

アメリカンリーグではジョージ・シスラーが打率.407で初の首位打者の座につき、257安打というメジャーリーグ新記録を打ち立てました。この記録は2004年まで破られることはありませんでした。同年、ベーブ・ルースはヤンキースに移籍し、本塁打54本と打点137を記録し、主なタイトルを独占する大スターとなりました。ヤンキースはこの年3位に終わるも、翌年からはリーグ連覇を果たし、時代の中心に立ちます。

ナショナルリーグではロジャース・ホーンスビーが打率.370で首位打者および打点王を獲得。彼は以降6年連続して首位打者の座に君臨します。また、シューレス・ジョージャクソンも打率.382、121打点を記録しますが、タイトルには恵まれませんでした。

チャップマンの悲劇

この年8月16日、ニューヨークで行われたヤンキース対インディアンス戦では、カール・メイズの投球がレイ・チャップマンに直撃し、チャップマンは意識不明となり翌日死亡します。この事故は野球界に衝撃を与え、その後の球場での安全対策が強化されるきっかけとなりました。インディアンスはこの悲劇を乗り越えて力を合わせ、チーム結束の源となったのです。

その他の出来事

ビッグなイベントとして、10月2日にはトリプルヘッダーが開催。ピッツバーグ・パイレーツとシンシナティ・レッズの対戦が3試合続き、レッズが2勝1敗を収めました。また、5月1日にはブルックリン・ロビンスとボストン・ブレーブスの試合が26回に及び、多くの記録を更新しました。

一方で、前年のブラックソックス事件の影響が続く中で、シカゴ・ホワイトソックスはファンからの厳しい視線を浴び、報道の波紋が広がりました。この事件は8人の選手が八百長に関与していたことが明るみに出るなど、アメリカンリーグの信頼を揺るがす事態となります。

その中で、MLBのルール変更も行われ、ボールの規格が新しくなり、スピットボールが制限されるなど時代の変化が見られました。

その結果、1920年は競技としての野球についても新たな試練と発展の年となりました。そして、この年の出来事は単なる試合結果を超え、MLBの歴史に刻まれることになります。

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