カール・メイズ

カール・ウィリアム・メイズの生涯

カール・ウィリアム・メイズ（Carl William Mays, 1891年11月12日 - 1971年4月4日）は、アメリカ合衆国ケンタッキー州リバティ出身のプロ野球選手。右投げ左打ちの投手で、愛称は「サブ（Sub）」と呼ばれた。

1920年、彼の投球が原因でレイ・チャップマンが死亡するというMLB史上稀に見る悲劇が発生。これにより、メイズは大きな非難を浴び、その名は永遠に記憶されることとなった。しかし、翌1921年には最多勝のタイトルを獲得するなど、その野球人生は波乱に満ちていた。

レッドソックス時代

メイズは12歳で父親を亡くし、敬虔なクリスチャンとして日曜日の登板を拒否していた。1912年にプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせ、1915年4月15日にボストン・レッドソックスでMLBデビューを果たした。この年、リーグ最多の7セーブを記録している。

1915年9月16日、デトロイト・タイガース戦でタイ・カッブと激しく衝突。カッブがメイズの投球に対し、バットを投げつけて罵ったことがきっかけだった。この事件から、メイズは「ビーンボールを投げる危険な投手」という評判を確立させた。

1916年のワールドシリーズでは、先発[[投手]]として登板したものの敗戦投手となった。しかし、チームはワールドチャンピオンに輝いた。

1917年には防御率2位、22勝を記録し、ベーブ・ルースと共にチームを支える投手へと成長。1918年も防御率8位、21勝、30完投、8完封と好成績を収め、ワールドシリーズ制覇に貢献した。

1919年、メイズの身の回りで悪い出来事が重なる。スプリングトレーニング中に農場が全焼し、観客席にボールを投げ入れてファンを負傷させる事件を起こし、罰金を科された。さらに、チームメイトとの衝突やトレード騒動を経て、ニューヨーク・ヤンキースへ移籍することになった。

ヤンキース時代

1920年8月16日、クリーブランド・インディアンス戦で、メイズの投球がレイ・チャップマンの頭部に直撃。チャップマンは翌日死亡した。これはMLB史上、試合中の事故で選手が死亡した2例目の悲劇だった。

この事故は、野球界に大きな影響を与えた。試合球を審判がいつでも交換できるようにルールが変更され、スピットボールなどの不正投球への対策が徹底された。メイズは故意ではなかったと証言し、罪には問われなかったものの、非難の声は収まらなかった。チームメイトや他球団からも追放を求める動きがあった。しかし、メイズは試合に復帰し、1921年には自己最高の27勝で最多勝を獲得。ワールドシリーズにも出場したが、チームは敗退した。

1922年には、ワールドシリーズでの八百長疑惑が浮上したが、調査の結果、潔白であることが証明された。

1923年は成績が振るわず、シーズン終了後にシンシナティ・レッズへ移籍。

レッズ移籍以降

1924年に20勝を挙げて復活を遂げたものの、怪我の影響で出場機会が減り、1926年を最後にレギュラーシーズンでの活躍はなくなった。

1929年にニューヨーク・ジャイアンツでプレーしたのを最後にMLBでのキャリアを終え、1931年に現役を引退した。その後はスカウトとして活躍し、1971年4月4日に79歳で亡くなった。

ビル・ジェームズはメイズを歴代投手の中で38位と評価している。また、アメリカ野球殿堂入りの候補にも挙がったが、選出には至らなかった。

プレースタイル

メイズは、「サブ」の愛称で知られるアンダースロー投手で、シンカーを武器にゴロを量産するグラウンドボールピッチャーだった。与四球は少なかったものの、インコースを攻めるスタイルから死球が多かった。そのため、チャップマンの死亡事故以前から、危険な投手と見なされていた。

レイ・チャップマン死亡事故に対する態度

メイズは無愛想な性格で、チームメイトからも嫌われていた。チャップマンの死亡事故についても、自らの責任を認めず、謝罪を拒否した。事故後、一時的に身を隠したが、他の関係者がメイズに悪意はなかったとする声明を発表すると、強気な態度に転じた。さらに、ボールの状態を理由に審判を批判したり、チャップマンの避け方が不十分だったと発言し、多くの人々を激怒させた。亡くなる直前まで、事故は自分のせいではなかったと主張し続けた。

詳細情報

メイズの年度別投手成績やタイトル獲得歴、脚注、外部リンクなどは、原文の通りです。

特徴的な球種：カーブ
投球フォーム：サブマリン

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