1927年のメジャーリーグベースボール

1927年のメジャーリーグベースボール

1927年のメジャーリーグベースボール（MLB）は歴史的なシーズンとなり、特にニューヨーク・ヤンキースの圧倒的な強さが際立ちました。この年、リーグは4月12日に開幕し、10月8日に全日程を終えた。

シーズンの概要

アメリカンリーグでは、ニューヨーク・ヤンキースが開幕から首位を独走し、112試合を消化した時点で110勝を挙げ、最終的に勝率.714を記録しました。これに対し、追随するアスレチックスとは19ゲームもの差をつけたため、ヤンキースの優位性が広く認識されていました。

一方、ナショナルリーグではピッツバーグ・パイレーツが前年優勝のセントルイス・カージナルスやニューヨーク・ジャイアンツを上回り、2年ぶり6度目のリーグ優勝を果たしました。これに続くワールドシリーズでは、ヤンキースがパイレーツを4勝0敗で下し、2度目のシリーズ制覇を遂げました。

ヤンキースの偉業

この年のヤンキースは「史上最強のチーム」と称されており、チーム全体の打率は.307、長打率は.489を記録しました。特に、主砲ベーブ・ルースはシーズン60本の本塁打を放ち、打点164で大きなインパクトを残しました。そしてルー・ゲーリッグも47本の本塁打を打ち、175打点を記録しました。これらの活躍により、ルースが本塁打王、ゲーリッグが打点王となり、ゲーリッグはリーグMVPにも輝きました。

さらに、ヤンキースの打線にはボブ・ミューゼルやトニー・ラゼリなどもおり、チーム全体で158本の本塁打を記録しました。特にミューゼルは24盗塁を挙げ、スピードもチームの武器の一つとなりました。この年のヤンキースの打線は、まさに「殺人打線」と呼ばれました。

パイレーツの競争力

パイレーツは「ポイズン・ブラザーズ」として知られるポール・ウェイナーと弟のロイド・ウェイナーが活躍しました。ポールは打率.380、打点131でナショナルリーグの首位打者と打点王に輝き、ロイドも223安打を記録してルーキー最多安打のMLB記録を残しました。兄弟は攻守共に優れた外野手としてその名を広めましたが、ヤンキースの攻撃力には太刀打ちできませんでした。

スキャンダルと影響

このシーズンのもう一つの側面として、タイ・カッブとトリス・スピーカーの八百長疑惑が挙げられます。1926年のシーズン終了後に、カッブとスピーカーに関する疑惑が浮上し、MLBコミッショナーによる内部調査が行われていました。結果として、カッブとスピーカーは無罪となりましたが、この事件はメジャーリーグに大きな波紋を呼び起こしました。このスキャンダルを機に、アメリカンリーグ会長のバン・ジョンソンが辞任し、タイ・カッブはアスレチックスに移籍して新たなキャリアをスタートさせました。

記録づくめの年

1927年は実に多くの記録が塗り替えられた年でもありました。ルースの60本の本塁打は当時の記録として君臨しましたし、ヤンキースのチーム打率や本塁打数、長打率は現在もその威厳を保っています。また、ロイド・ウェイナーの223安打はナショナルリーグの記録として現在も残っているものの、のちにイチローによって更新された記録があることも興味深いところです。

まとめ

1927年のMLBは、ヤンキースの強さとパイレーツの競争力、さらにはスキャンダルに彩られたシーズンでした。この年の記録や出来事は、メジャーリーグの歴史における重要なマイルストーンとして後世に語り継がれています。

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