1939年のメジャーリーグベースボール

1939年のメジャーリーグベースボールの動向

1939年のメジャーリーグベースボール（MLB）は、数多くの注目すべき出来事があった年であり、特にニューヨーク・ヤンキースの活躍が目立った。

シーズンの成績

1939年は4月14日に開幕し、10月8日には全日程が終了した。アメリカンリーグではヤンキースが106勝を上げ、2位のボストン・レッドソックスに対して実に17ゲーム差をつけて優勝した。この成績は、前年のジョー・ゴードンに続いて新人のチャーリー・ケラーが注目されたことを反映している。また、かつての名選手ルー・ゲーリッグは引退を迎えたが、チームメイトのベーブ・ダールグレンが一塁を守るなど、世代交代の象徴的な年でもあった。

個人としては、ジョー・ディマジオが打率.381で初の首位打者を獲得し、リーグMVPにも選ばれた。さらに、レッド・ロルフ三塁手が213安打を記録し、139得点でリーグのスタープレイヤーとなった。

ナショナルリーグではシンシナティ・レッズが優勝し、フランク・マコーミックが打率.332、打点128、本塁打18本の成績を収め、打点王に輝いた。一方で、投手陣も強力で、バッキー・ウォルターズが27勝を挙げ、防御率は2.29で最多勝と最優秀防御率のタイトルを獲得した。

ワールドシリーズ

ワールドシリーズでは、アメリカンリーグのヤンキースがナショナルリーグのレッズを4勝0敗で下し、シリーズ4連覇を達成した。これにより、ヤンキースは1937年からシリーズ9連勝を記録し、その後に続く12連勝の記録の一部を築いた。この年の勝利はメジャーリーグ史上初のリーグ及びシリーズ4連覇という偉業であり、その後ヤンキースは1948年から1952年にも5連覇を果たす。

テッド・ウイリアムズのデビュー

そして特筆すべきは、ボストン・レッドソックスに所属するテッド・ウイリアムズが21歳でメジャーデビューを果たし、打率.327、本塁打31本、打点145を記録したことだ。彼はすぐに打点王に輝き、その後、ジョー・ディマジオと並ぶレジェンドとして、死ぬまでのライバル関係を築くことになる。

ルー・ゲーリッグの引退

1939年5月2日、ルー・ゲーリッグは自身の出場辞退を決断した。彼は足かけ14年間にわたって1試合も休まずにプレーし続け、この日をもって連続試合出場記録は2130試合でストップした。引退後には、筋萎縮性側索硬化症と診断され、6月21日には公式にヤンキースより引退が発表された。

7月4日には「ゲーリッグ感謝デー」が行われ、ベーブ・ルースやニューヨーク市長をはじめ多くの人々が参加した。この時、ゲーリッグは「自分は世界で一番幸せな男です」と語り、伝説としての人生を締めくくった。

野球博物館の開館

また、1939年6月12日にはクーパースタウンで野球博物館が開館し、野球の歴史を称える重要な場所となった。このセレモニーには多くの野球関係者や名選手が出席し、野球の伝統と誇りを未来に繋げる意味を持つイベントとなった。

テレビ中継の始まり

同年8月26日、ニューヨークのエベッツ・フィールドで行われた試合が初めてテレビ中継された。この中継は野球の人気をさらに広げる重要なステップとなり、後の世代に大きな影響を与えることになった。

規則の改訂

1939年には投手の足と投手板の位置に関する規定が設けられ、犠牲フライの規則は特定の条件下で適用された。また、ワールドシリーズの審判員体制も6人体制に改訂されるなど、ルール面でもいくつかの重要な変更が行われた。

結論

このように、1939年のメジャーリーグベースボールには多くの名場面と重要な出来事が詰まっており、今なおファンの心に残る記憶となっている。

もう一度検索