1940年アメリカ合衆国大統領選挙

1940年アメリカ合衆国大統領選挙

1940年のアメリカ合衆国大統領選挙は、11月5日に実施され、民主党のフランクリン・ルーズベルトがその3期目を賭けて立候補し、共和党候補のウェンデル・L・ウィルキーと激突しました。この選挙は、世界恐慌からの回復途上で行われ、同時に第二次世界大戦の陰が色濃く漂っていました。

ルーズベルトは、アメリカ歴史上初の大統領として3期目に挑むことが大きな論争を呼びました。伝統的には、アメリカの大統領は2期以上務めないという慣例があり、初代大統領ジョージ・ワシントンがその慣習を作りました。しかし、国際情勢の変化や対ナチスの危機感から、ルーズベルトはこの伝統を破って再度立候補する決意を固めました。彼は、自身の経験が国を守るために不可欠だと訴え、支持を集めました。

共和党は、世論に対するアプローチにおいて、孤立主義派と干渉主義派の間で分裂していました。代表的な候補者には、オハイオ州のロバート・タフト、ミシガン州のアーサー・ヴァンデンバーグ、そしてニューヨーク州のトマス・E・デューイがいましたが、彼らの孤立主義的立場から支持が制限されていました。その一方で、ウィルキーはウォールストリートの実業家として浮上し、ある種の新鮮さと魅力を通じて標的を狙いました。彼は選挙戦でルーズベルトの戦争への関与や経済政策に対して強力に対抗しました。

ウィルキーの対立候補ルーズベルトは、労働者層や都市部の支持基盤を持つ一方で、ウィルキーは新たな選択肢として支持者を増やし、特にイギリスへの援助を強く唱えることで多くの注目を集めました。しかし、彼は過去の実業界の立場から、アメリカの労働者層に一部の反発を招くことにもなりました。

選挙戦の中で、ウィルキーはルーズベルトの伝統を破ろうとする姿勢や、新たな政策の無能さを指摘し、支持の拡大を図ろうとしました。一方、ルーズベルトは「アメリカの青少年をいかなる外国の戦争にも送り込むことはない」と公約し、国内支持を図りました。投票日、ルーズベルトは2700万票、ウィルキーは2200万票を獲得し、選挙人投票でも圧倒的多数で勝利しました。

この選挙は、その後のアメリカ政治に大きな影響を及ぼすことになり、1947年に成立した憲法修正第22条は将来的に大統領の在任期間を制限することになりました。ルーズベルトの4期目の任期の途中での死去は、アメリカの政治にも新たな変革をもたらしました。1940年の大統領選挙は、歴史的に見ても重要な意味を持つ選挙であったと言えるでしょう。

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