1946年度の将棋界

1946年度将棋界：戦後復興期の激動と新たなスターの誕生

1946年度(昭和21年度)の将棋界は、戦後復興期という激動の時代を反映し、数々の重要な出来事が発生しました。この年は、現代将棋の基礎となる制度の導入や、将来を担う若手棋士の台頭、そしてレジェンド棋士の逝去など、様々な出来事が複雑に絡み合い、現在の将棋界へと繋がる重要な転換期となりました。

順位戦の開始と新たな競争

1946年5月12日、現代将棋の重要な戦型である順位戦が初めて開催されました。八段から四段までの棋士が、A級、B級、C級に分けられて、その実力を競い合うリーグ戦です。これは、棋士の実力差を明確にし、公平な競争環境を作るための画期的な制度でした。この順位戦の導入は、戦後の将棋界の活性化に大きく貢献しました。

巨星、坂田三吉八段の逝去

7月23日、将棋界の重鎮、坂田三吉八段が76歳で亡くなりました。坂田八段は、長年に渡り将棋界を牽引し、多くの名棋士を育成した人物です。その死は、将棋界に大きな衝撃を与え、多くの棋士が深い悲しみに暮れました。戦後復興期の将棋界を支えた功績は、現在も語り継がれています。

新世代の躍進：木村・升田五番勝負

9月17日、当時名人の木村義雄と、若手のホープ升田幸三七段による五番勝負が始まりました。この対局は、戦後の将棋界を代表する名勝負として知られています。結果は、升田七段の3連勝で幕を閉じました。この結果は、将棋界に大きな衝撃を与え、升田幸三の才能を世に知らしめることとなりました。この五番勝負は、戦後将棋界における世代交代の象徴的な出来事でした。

名人戦挑戦者決定戦と名人戦七番勝負

1947年2月には、第6期名人戦の挑戦者決定戦が行われました。塚田正夫八段、大野源一八段、萩原淳八段の3人が10勝3敗で並び、挑戦者決定リーグ戦が行われるという接戦となりました。最終的に、塚田正夫八段が木村義雄名人への挑戦権を獲得しました。

3月4日、第6期名人戦七番勝負が開幕しました。第1局、第2局と木村名人が連勝し、優位に立ちましたが、第4局で塚田八段が勝利し、シリーズを盛り上げました。第3局は持将棋となり、再戦となりました。この名人戦七番勝負も、戦後の将棋界を代表する名勝負として記憶されています。

1946年度将棋界のまとめ

1946年度の将棋界は、順位戦の開始、坂田三吉八段の逝去、そして木村・升田五番勝負と、数々の重要な出来事が発生した激動の年でした。これらの出来事は、戦後の将棋界の再構築、そして新たな時代の幕開けを告げるものでした。順位戦の導入は、棋士の育成と実力向上に大きく貢献し、木村・升田五番勝負は、新しい世代の台頭を象徴する出来事となりました。これらの出来事を経て、将棋界は戦後の混乱を乗り越え、新たな発展へと歩みを進めていきました。そして、これらの出来事を通して、戦後将棋界の礎が築かれたと言えるでしょう。

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