1946-1947シーズンのBAA

BAA 1946-1947シーズン：アメリカプロバスケットボールの幕開け

1946-1947シーズンは、アメリカ合衆国の男子プロバスケットボールリーグBAA（Basketball Association of America）の最初のシーズンとして、歴史にその名を刻みました。BAAは、後のNBAへと発展するアメリカ初の全国プロバスケットボールリーグであり、その設立は1946年6月6日に遡ります。同年11月1日にはBAA初の試合が行われ、翌1947年4月22日には初代BAAチャンピオンが決定しました。

BAA誕生の背景

BAA設立以前にも、バスケットボールリーグは存在していました。1891年にジェームズ・ネイスミスによって考案されたバスケットボールは、瞬く間にアメリカ全土で人気を博し、1898年には世界初のプロリーグであるNational Basketball League（NBL）が誕生しました。しかし、NBLは資金難や世界大戦の影響を受け、幾度かの解散を経験。1926年にはAmerican Basketball League（ABL）も設立されましたが、同様に財政難に苦しみました。

当時のバスケットボール界では、カレッジバスケが主流であり、プロバスケは市民権を得るには至らず、地方リーグとして細々と活動を続けていました。しかし、第二次世界大戦終結後の1946年6月6日、Basketball Association of America（BAA）が誕生します。BAAも財政難やカレッジバスケの人気に苦戦しましたが、アメリカ中西部を基盤としたNBLに対し、ニューヨークなどの東部大都市を基盤としたことが優位に働き、後にNBLを吸収合併する形で発展を遂げました。

設立当初のBAAは、プロアイスホッケーのNHLやAHLの球団オーナーたちが所有するアリーナの空き時間を埋めることを目的とした、ささやかな組織でした。初代コミッショナーには、AHLの会長だったモーリス・ポドロフが就任しました。

BAAは、東と西の2つのディビジョンに分かれた11都市11チームでスタートしました。現在も本拠地を変えずに存続しているのは、ボストン・セルティックスとニューヨーク・ニッカーボッカーズ（ニックス）の2チームのみです。BAA、そしてNBAへと続く長い歴史の最初の試合は、11月1日にカナダのトロント市で行われ、ニューヨーク・ニックスがトロント・ハスキーズに68-66で勝利しました。レギュラーシーズンは各チーム60試合を戦い、各ディビジョン上位3チームがプレーオフに進出しました。

シーズンのハイライト

1947年1月には、ゾーンディフェンスを実質禁止とするイリーガル・ディフェンスが採用されました。これは、当時のゾーンディフェンスの技術が未熟であったため、BAA（NBA）がNCAA（カレッジバスケ）との差別化を図り、選手個人の能力を引き出すことを目的としたものでした。イリーガル・ディフェンスは、55年後の2001年に廃止されるまで、NBA独自の魅力として存在し続けました。

レギュラーシーズンの勝率1位は、後にボストン・セルティックスの黄金時代を築く名将、レッド・アワーバックが率いるワシントン・キャピトルズでした。得点王には、平均23.1得点を記録したジョー・ファルクスが輝き、2位のボブ・フィーリックに7点以上の差をつけました。リーグ全体のフィールドゴール成功率は27.9%、平均得点・失点は67.8点でした。

当時のテレビ放送はわずか3試合のみで、しかも録画放送でした。ラジオ放送も限られており、試合結果はローカル新聞の片隅に掲載される程度でした。

プレーオフとファイナル

当時のプレーオフの組み合わせは、現在とは大きく異なり、各地区勝率1位の2チームがファイナル進出をかけて7戦4勝制の準決勝を戦いました。残りの4チームは、各地区勝率2位同士と3位同士が3戦2勝制の準々決勝を戦い、その勝者同士がファイナル進出をかけて同じく3戦2勝制の準決勝を戦いました。ファイナルは7戦4勝制で行われました。

レギュラーシーズンで圧倒的な強さを見せたワシントン・キャピタルズは、この変則的な組み合わせが災いし、準決勝で敗退。初代BAAチャンピオンに輝いたのは、フィラデルフィア・ウォリアーズでした。当時の選手のサラリー上限は5500ドルでしたが、ウォリアーズの優勝メンバーは、賞金として各自2000ドルを受け取りました。

NBA.com HISTORY (英語)
Basketball-Reference.com (英語)

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