1954年上半期の市町村合併

1954年の上半期は、日本の市町村にとってまさに変革の時でした。この期間、全国各地で多くの自治体が互いに合併し、新たな歴史を刻みました。年明けの1月から、早くも活発な動きが見られました。

1月には、岩手県で黒沢尻町が立花村を編入、神奈川県では箱根町が新設されるなど、各地で合併が始まりました。特に島根県では大田市が、福井県では上中町が、静岡県では菊川町が誕生するなど、新たな市や町が複数誕生しています。千葉県では八千代町や加茂村が新設され、富山県でも立山町や戸出町が誕生しました。

2月に入ると、茨城県下館町への編入合併や、新潟県長岡市への編入などがありました。長野県では小諸町、福井県では美浜町、鳥取県では東伯町が新設されるなど、新たな自治体が生まれています。大阪府茨木市や愛媛県松山市、和歌山県田辺市では既存市への編入が行われました。栃木県日光町は小来川村を編入し、市制を施行して日光市となりました。

3月は、この半年間で最も多くの合併が集中した月です。全国各地で大規模な合併が実施され、特に多くの新たな市が誕生しました。例えば、福島県では原町市、龍ケ崎市、那珂湊市、常磐市、磐城市、相馬市が、栃木県では今市市、小山市が、千葉県では成田市、佐倉市が誕生しました。新潟県では十日町市、見附市、村上市、燕市が、石川県では輪島市が市制を施行しました。静岡県では富士市、掛川市、藤枝市が、三重県では名張市が、滋賀県では近江八幡市が、兵庫県では宝塚市が誕生しています。奈良県では複数の町村が合併し天理市が誕生、和歌山県では御坊市が、岡山県では総社市が、広島県では松永市、府中市、三次市、庄原市が、山口県では長門市、柳井市、美祢市が市制施行しました。徳島県では富岡町や鴨島町が新設され、香川県では善通寺市が誕生。愛媛県では中村市、宿毛市が、佐賀県では佐賀市への編入や、大分県では竹田市、鶴崎市が誕生するなど、この月だけで多くの自治体の姿が変わりました。

4月に入っても合併の勢いは衰えません。岩手県では水沢市、花巻市、北上市が、宮城県では白石市が、群馬県では沼田市、館林市、渋川市、藤岡市、富岡市が市制を施行。千葉県では東金市が誕生しました。東京都では府中町などが合併し府中市が誕生、南多摩郡では町田町と南村が合併しました。新潟県、富山県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、滋賀県、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、香川県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県と、全国的に広範囲で合併が行われました。長野県では小諸市、伊那市が、岐阜県では美濃市、瑞浪市、羽島市、恵那市、美濃加茂市が、愛知県では蒲郡市、犬山市、常滑市が、大阪府では河内長野市が、兵庫県では宝塚市が、奈良県では天理市が、和歌山県では御坊市が、島根県では安来市、江津市が、福岡県では甘木市、八女市、筑後市、大川市が、佐賀県では鳥栖市、伊万里市、武雄市、鹿島市が、長崎県では福江市が、熊本県では玉名市、本渡市、山鹿市が、鹿児島県では出水市、大口市、指宿市が、それぞれ新たな市として発足しました。この月も非常に多数の市が誕生しています。

5月には、東京都で昭和町と拝島村が合併し昭島市が誕生、市制を施行しました。秋田県でも大曲町などが合併して大曲市に、埼玉県では加須町などが加須市に、佐賀県では多久町などが合併して多久市に、大分県では豊後高田町などが豊後高田市になるなど、この月も新たな市が誕生しました。その他、青森県、宮城県、栃木県、群馬県、岡山県、山口県、香川県、山梨県、石川県、新潟県で編入や新設合併が行われました。

6月をもって上半期は終了しますが、この月も合併は続きました。茨城県では下妻町などが合併して下妻市が誕生。新潟県では直江津市、栃尾市、糸魚川市が市制施行しました。石川県では森本町が町制を施行。愛知県では守山町などが守山市に、古知野町などが江南市になりました。京都府では宮津町などが合併して宮津市が誕生。兵庫県では三木町などが三木市に、岡山県では新見町などが新見市になりました。三重県では尾鷲町などが合併し尾鷲市が誕生しています。

1954年上半期は、地方自治体再編の大きな波が押し寄せた時期であり、特に多くの市が誕生した点が特徴的です。多様な方式での合併が進められ、日本の市町村の区画が大きく塗り替えられる半年となりました。

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