那珂湊市

那珂湊市

那珂湊市（なかみなとし）は、かつて茨城県の県央地域に存在した自治体です。1994年（平成6年）11月1日に隣接する勝田市と合併し、現在のひたちなか市が誕生したことに伴い、その名前は失われました。

地理

現在のひたちなか市の南東部に位置していました。市の東側は雄大な太平洋に面しており、夏には多くの海水浴客で賑わう阿字ヶ浦海水浴場が存在しました。また、市の北側では、那珂川と涸沼川という二つの河川が海に注ぐ河口部に位置していました。

かつて那珂湊市が隣接していた自治体は以下の通りです。

茨城県
水戸市
勝田市
那珂郡東海村
東茨城郡大洗町

歴史

那珂湊市の歴史は、明治時代にまで遡ります。明治22年（1889年）4月1日には町村制の施行に伴い、那珂郡湊町として発足しました。その後、大正2年（1913年）12月25日には茨城交通（現在のひたちなか海浜鉄道）湊線が開業し、那珂湊駅が設置され、地域の交通網の要となりました。

昭和14年（1939年）4月1日には、湊町から那珂湊町に名称が改められました。これは、当時全国に同名の町が存在したため、通信や交通、商取引における混同や不便を解消し、円滑化を図る目的で行われたものです。

市制施行という大きな節目は昭和29年（1954年）に訪れます。同年3月30日、まず那珂郡前渡村の一部地域を那珂湊町に編入しました。そして、翌3月31日には、同じ那珂郡に属していた平磯町を編入合併。この大規模な合併を経て、那珂湊町は即日市制を施行し、那珂湊市として新たなスタートを切りました。

市制施行前の昭和22年（1947年）4月29日には、焚き火が原因とされる大規模な火災が発生し、6名の負傷者と1134戸もの家屋が焼失するという痛ましい出来事がありました。

また、行政面では、昭和46年（1971年）に当時の薄井与兵衛市長に対するリコールが成立し、その後の出直し市長選挙で薄井三郎氏が新たな市長として選ばれるなど、政治的な動きもありました。

そして、平成6年（1994年）11月1日、那珂湊市は隣接する勝田市と合併し、ひたちなか市の一部となり、自治体としての那珂湊市の名称は消滅しました。

行政

那珂湊市には歴代の市長が存在し、市政を担っていました。詳細な歴代市長名については、参考文献等に記録されています。

教育

市域内には、以下のような教育機関が存在していました。

高等学校
茨城県立那珂湊第一高等学校
茨城県立那珂湊第二高等学校
茨城県立海洋高等学校
中学校
那珂湊市立那珂湊中学校
那珂湊市立平磯中学校
那珂湊市立阿字ヶ浦中学校
小学校
那珂湊市立湊第一小学校
那珂湊市立湊第二小学校
那珂湊市立湊第三小学校
那珂湊市立平磯小学校
那珂湊市立磯崎小学校
那珂湊市立阿字ヶ浦小学校
図書館
那珂湊市立図書館

交通

那珂湊市には、地域の生活や産業を支える交通網がありました。

道路

一般国道
国道245号
主要地方道
茨城県道6号水戸那珂湊線
茨城県道38号那珂湊那珂線
一般県道
茨城県道108号那珂湊大洗線
茨城県道176号中根平磯磯崎線
茨城県道247号常陸海浜公園線
茨城県道265号磯崎港線

鉄道

茨城交通（現在はひたちなか海浜鉄道）
■湊線：市内に那珂湊駅、殿山駅、平磯駅、磯崎駅、阿字ヶ浦駅がありました。

港湾

那珂湊漁港
磯崎漁港

主な施設・名所

市域内には、堀出神社などが存在しました。

参考文献

ひたちなか市史編さん委員会 編『那珂湊市史 近代・現代』ひたちなか市教育委員会、2004年。
歴代知事編纂会 編集『日本の歴代市長 : 市制施行百年の歩み』 第1、歴代知事編纂会、1983年。

関連項目

茨城県の廃止市町村一覧
海門町
* 那珂湊反射炉

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