1959年の読売ジャイアンツ

1959年の読売ジャイアンツ

1959年の読売ジャイアンツは、水原茂監督にとっての10年目のシーズンであり、新たな期待に満ちたスタートを切りました。前年に長嶋茂雄を迎え入れたことで注目が集まっていましたが、今シーズンも早稲田実業高校から伝説のスラッガー、王貞治を獲得したことで、勝利への期待は高まりました。チームは開幕から絶好調で4月を14勝2敗で終え、6月には14勝5敗という好成績を収めて、中日・阪神に10ゲーム差をつけて独走状態に突入しました。

この年の中でも特筆すべき出来事は、6月25日に行われた対阪神の11回戦での天覧試合です。この試合では、王がプロ入り第4号となる本塁打を放ち、さらに長嶋が阪神のエース・村山実からサヨナラ本塁打を打つなど、ファンにとって忘れられない瞬間が生まれました。試合の盛り上がりの中、チームは優れたパフォーマンスを見せ続け、惹きつける内容でした。

しかし、シーズン後半になると若干の失速が見られました。それでも中日や阪神の不調もあり、リーグ5連覇を達成することができました。これにより、チームの力強さが示されたと言えるでしょう。しかし、日本シリーズでは、相手は前年の西鉄に代わって南海となり、シリーズ第2戦以降は南海のエース・杉浦忠に打線が封じ込まれ、結果的に4連敗という悔しい結果に終わりました。水原監督の悲願であった日本一奪回は実現できず、ファンの期待に応えることはできませんでした。

ルーキーの王貞治は、背番号「1」を与えられ、プロ入り初安打を本塁打で飾ったものの、成果としては決して順調とは言えませんでした。しかし、天覧試合での好プレーや、長嶋とのアベックホームランを記録するなど、大打者としての片りんを垣間見せました。

投手陣に目を向けると、藤田元司がエースとして活躍し、27勝を挙げる好成績を残しました。この結果は、彼にとって2年連続でのMVP受賞に繋がりました。また、安原達佳や義原武敏、伊藤芳明といった選手たちもそれぞれに見せ場を作り、チーム全体でのパフォーマンスが評価されました。特に国鉄戦では18勝8敗と勝ち越しを決めましたが、最下位の大洋に対しては13勝12敗1分で苦戦を強いられました。

最終的には、シーズン通しての成績も良好で、選手個々の活躍もあって、チームとしての力を感じさせたシーズンとなりましたが、日本シリーズの結果がチームにとっては厳しい教訓となりました。選手たちの今後の活躍に期待が寄せられ、次なるシーズンに向けて準備が進められることでしょう。

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