1959年アメリカグランプリ

1959年アメリカグランプリ：激闘の最終戦と若きチャンピオンの誕生

1959年のF1世界選手権最終戦、アメリカグランプリはフロリダ州セブリング・インターナショナル・レースウェイで12月12日に行われました。このレースは、F1世界選手権にアメリカグランプリが初めて組み込まれた歴史的な一戦であり、セブリングにおいて唯一開催されたF1世界選手権レースとなりました。42周、全長351kmのレースは、ドライバーズチャンピオン争いが白熱する中で幕を開けました。

熾烈なチャンピオン争い

イタリアGPから3ヶ月後の最終戦。ジャック・ブラバム、スターリング・モス、トニー・ブルックスの3名がチャンピオン争いを繰り広げていました。それぞれのドライバーがチャンピオンを獲得するための条件は複雑で、順位だけでなくファステストラップ獲得も重要な要素となっていました。ブラバムは安定した走りでポイントリードしていましたが、モスとブルックスも優勝の可能性を残していました。

予選とスタート

予選ではモスがポールポジションを獲得、ブラバムが2番手、シェルが3番手とクーパー勢がトップ3を独占しました。ブルックスは4番手からのスタートとなりました。スタート直後、ブルックスはチームメイトに接触し、早々に優勝争いから脱落。モスも6周目にリタイアするという波乱の展開となりました。

予想外の結末とマクラーレンの快挙

モスのリタイアにより、ブラバムは有利な立場となり、首位を走行し続けました。しかし、最終ラップで燃料切れというアクシデントに見舞われ、マシンを押して4位でフィニッシュ。一方、ブルックスは3位でレースを終えました。この結果、ブラバムが僅差でドライバーズチャンピオンを獲得することとなりました。

このレースを制したのはブラバムのチームメイトであるブルース・マクラーレンでした。22歳104日での優勝は、当時F1最年少記録となる偉業でした。この記録は2003年まで破られず、マクラーレンの偉大さを示しています。

珍しいマシンの参戦

このレースには、いくつかの珍しいマシンも参戦しました。インディ500優勝者のロジャー・ワードが、特異なミジェットカーで参戦しましたが、予選で大きく遅れ、レースを戦うことができませんでした。また、マセラティの発展型マシンや、かつてのコンノートも、このレースのみの参戦となりました。

予想を下回る観客数

チャンピオン争いが展開されたにも関わらず、観客動員数はわずか2万人と、レースの盛り上がりからは予想を下回る結果となりました。

まとめ

1959年アメリカグランプリは、ドライバーズチャンピオン争いの激しさ、若きマクラーレンの鮮やかな優勝、そして珍しいマシンの参戦など、数々のドラマが詰まったレースでした。このレースは、F1の歴史に刻まれた、忘れられない一戦となりました。ブラバムのチャンピオン獲得、マクラーレンの最年少優勝記録、そして予想外に低かった観客動員数など、様々な要素が絡み合い、1959年シーズンの幕を閉じました。このレースの記録は、F1の歴史における重要な出来事として、これからも語り継がれていくでしょう。

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