1960年韓国地方選挙
1960年韓国地方選挙
1960年12月に行われた韓国地方選挙は、地方自治団体の市や邑、面の団体長及び議員を選出するための重要な選挙でした。この選挙は、4月に起こった4.19革命によって崩壊した自由党政権の後、民主党政権のもとで実施されました。特に、この選挙は第2共和国の成立後における与党である民主党と、旧自由党の閣僚を巡る争いから派生した新民党との対立が大きな焦点となりました。
概要と背景
1960年の地方選挙は、11月1日に実施された第5次改正が施行された地方自治法に基づいて行われました。選挙制度は、ソウル市長や道知事を含む全ての自治団体長を住民が直接選ぶ方式が採用され、選挙権は21歳から20歳に引き下げられました。また、当選者の選出に関しては、特別市や道は単記式投票を、地域の市・邑・面議会では完全連記式投票が用いられました。不在者投票制度も導入され、初めて直接選挙された団体長と議員が誕生することになりました。
選出人数のデータは以下の通りです：
ソウル市長及び道知事選挙も行われ、全体で11,263,445名が投票に参加しました。その結果、民主党と新民党は都市部で競り合った一方、農漁村地域では自由党系の無所属候補が善戦しました。これにより、民主党がソウル市長および道知事選挙で優位に立つ結果となりました。
選挙の実施と結果
選挙は、地域住民による直接選挙という新たな自治の形を示しましたが、これは悲劇的な運命を辿ることになります。1961年5月に発生した軍事クーデターによって、わずか1年後に全ての地方議会は解散され、団体長は国による任命制へと戻ることとなりました。これにより韓国の地方自治は完全に停止され、この時の経験は1987年に発生した民主化運動の結果として地元自治の復活の礎となることが重要でした。
この選挙の投票率は、ソウル特別市で36.4%であり、都道府県でもそれぞれ異なる結果が生まれました。特に、道知事選挙では32.8%という低い投票率が見られましたが、基礎自治体の選挙では高い投票率が記録されるなど、地域による違いが明確に現れた点も特徴的です。
結論
今振り返ってみると、1960年の地方選挙は、韓国の民主主義と地方自治の歴史において重要なマイルストーンであり、その後の政治的流れに大きな影響を与えることとなりました。地方自治の確立は、1987年にやっと実現し、現在の民主的なシステムの基盤を築くことになったのです。このように、1960年の地方選挙は、民主主義への道を模索した一つの試みとして位置づけられています。
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