1961年の中日ドラゴンズ

1961年 中日ドラゴンズのシーズンレビュー

1961年は中日ドラゴンズにとって重要な転機となるシーズンでした。この年、濃人渉が監督として初めてチームを指揮し、期待と課題が入り交じる中でのスタートとなりました。

濃人渉監督の就任

この年、中日ドラゴンズが新しいオーナーとして与良ヱを迎えたことに伴い、前監督の杉下茂が責任を取って辞任しました。濃人は前年、二軍監督として中日に入団しており、その経験を活かしてチームを強化しようとしました。チームのユニフォームは杉下監督時代のエビ茶色が引き続き使用されました。

選手獲得とローテーション形成

濃人監督は若手選手への刺激を促すため、巨人の与那嶺要や阪急から河野旭輝を自由契約や交換トレードで獲得しました。投手陣では権藤博と自由契約で加入した柿本実、さらに河村保彦や板東英二とともに強力なローテーションを形成し、権藤は35勝、開幕投手の板東が12勝、河村が13勝を挙げるなど、チームの勝ち星を大きく牽引しました。

打撃陣の動向

打撃陣では、濃人監督の社会人時代の教え子である江藤慎一が20本塁打を放ち、チームの主軸となりました。また、森徹や中利夫もそれなりの成績を残し、チーム全体としては一定の成果を上げました。しかし、高木守道は前年の活躍から一転して打率が2割台前半に留まり、巨人から移籍した与那嶺の成績も期待外れに終わり、打率は1割台となりました。

チーム成績とAクラス争い

シーズン中、チームは開幕から巨人や国鉄とAクラスを争い、9月になると国鉄が脱落し巨人とのマッチレースに突入しました。しかし、最終的には引き分けの差により、2位でシーズンを終えることとなります。順調に見えたチーム成績の裏では、シーズン途中に主力選手が濃人派と反濃人派に分かれる内紛が発生し、親会社の中日新聞社や関連各社、一般ファンを巻き込む大騒動へと発展しました。この内部の対立が、チームの雰囲気や成績にどのように影響したのかは今後の課題でしょう。

まとめ

1961年の中日ドラゴンズは、濃人渉監督の下で新たな挑戦が始まったシーズンでした。若手選手の積極起用や、強力な投手陣の形成は評価される一方で、チーム内部の対立も顕在化し、今後のシーズンに向けての課題が多く残る結果となりました。彼らの次のステップがどのようなものになるのか、ファンの期待が寄せられた年でもありました。

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