1965年の日本競馬

1965年の日本競馬は、地方競馬の整理統合や中央競馬の近代化が進んだ一年でした。この年、山口県の下関競馬場と宮崎県の宮崎[[競馬場]]が廃止された一方で、新潟[[競馬場]]が新設されるなど、地方競馬の再編が進みました。

中央競馬では、3月から自動タイム計測装置が正式に採用され、レース結果の電光表示も開始されました。これにより、レースの公正さと観客への情報提供が大きく向上しました。また、競馬場施設の改善も進み、中山[[競馬場]]には婦人専用窓口が設置され、東京[[競馬場]]には子供遊園地が新設されるなど、家族連れでも楽しめる環境が整備されました。

3月には、特別区[[競馬組合]]が建設していた小林牧場が竣工し、競馬界の施設拡充も図られました。海外との交流も活発で、アルゼンチンのパレルモ[[競馬場]]では「日本経済使節団盃競走」が開催され、アメリカのハリウッドパーク[[競馬場]]では「日本中央[[競馬会]]賞競走」が行われました。

組織面では、競馬法の改正により指定市町村の競馬施行期限が延長されたほか、競走馬理化学研究所が発足するなど、競馬の運営体制も強化されました。また、日本中央[[競馬会]]が関西方面のトレーニングセンター建設地を決定し、後の栗東トレーニングセンターにつながる動きがありました。

この年の大きな出来事として、9月に発覚した山岡事件があります。これは騎手による不正事件で、競馬界の信頼を揺るがすものでした。日本中央[[競馬会]]は声明を発表し、警備措置を講じるなど、再発防止に努めました。また、馬の伝染性貧血が流行した際には、緊急防疫対策本部を設置し、対策を講じました。海外研修も積極的に行われ、調教師がアメリカに派遣されました。

競走面では、シンザンがその圧倒的な強さを見せつけました。桜花賞はハツユキ、皐月賞はチトセオーが制しましたが、シンザンは宝塚記念、天皇賞（秋）、有馬記念を制覇し、見事「五冠馬」となりました。また、クラシックレースでは、優駿牝馬（オークス）はベロナ、東京優駿（日本ダービー）はキーストンが勝利しています。障害レースでは、中山大障害（春）をフジノオーが、中山大障害（秋）をミスハツクモが制しました。

年度代表馬にはシンザンが選出され、その強さを改めて証明しました。この年生まれた競走馬の中には、後のクラシック戦線を賑わせるハクセツやタケシバオーなどがいます。また、多くの騎手や調教師が誕生し、競馬界の将来を担う人材が育ちました。

一方で、セントライトやタチカゼといった名馬がこの世を去り、競馬ファンに惜しまれました。河野一郎中央競馬振興会元会長の逝去も、競馬界にとって大きな損失でした。

1965年は、競馬場施設の近代化、組織の強化、そして競走馬の活躍など、競馬界全体が大きく発展した一年でした。また、不正事件や伝染病対策など、課題も浮き彫りになった一年でもありました。

もう一度検索