1966年オランダグランプリ

1966年7月24日、オランダのザントフォールト・サーキットにおいて、F1世界選手権第5戦、1966年オランダグランプリが開催されました。1948年の初開催から数えて16回目の開催となるこのレースは、全長4.25kmのコースを90周、総距離382kmに渡って繰り広げられました。

このレースで勝利を収めたのは、1959年と1960年のチャンピオン、ジャック・ブラバムでした。ブラバムは自らが開発したブラバム・BT19を駆り、見事な走りで3連勝を達成。1960年以来2度目となるオランダグランプリ制覇を果たしました。2位には1962年のチャンピオン、グラハム・ヒルがBRM・P261で入り、1周遅れながらも表彰台を獲得。そして3位には前年度チャンピオンのジム・クラークがロータス・33で入賞し、シーズン初の表彰台を飾りました。

ブラバムの優勝により、彼はポイントランキングで2位のヒルに16点差をつけ、首位を堅守。3位にはヒルのチームメイトであるジャッキー・スチュワートが2点差で続きました。

レース展開は、ブラバムの圧倒的な強さが際立つものとなりました。前戦イギリスGPをストライキの影響で欠場していたフェラーリが復帰し、ロレンツォ・バンディーニとマイク・パークスも参戦しましたが、ブラバムの開発力はフェラーリを凌駕していました。ブラバムは予選でポールポジションを獲得、チームメイトのデニス・ハルムが2番手と、圧倒的な速さを見せつけました。3番手にはロータスのジム・クラークがつけ、フロントローを形成しました。

レース序盤、クラークはスタートダッシュで2位に浮上しますが、すぐにハルムに抜かれ3位に後退。しかし、ハルムはその後イグニッショントラブルに見舞われリタイア。その後、ブラバムは一時はクラークに首位を奪われるものの、クラークがエンジントラブルで苦しむ隙を突いて再びトップに立ち、そのまま独走。最終的に全車を周回遅れにして、圧勝しました。クラークはマシントラブルにより順位を落とし、ヒルにも抜かれ、4位のスチュワートに次ぐ5位でレースを終えました。

ブラバムは、40歳でF1に挑戦するには年を取りすぎているという新聞報道を受け、レース当日、付け髭と杖というユニークな姿でグリッドに登場。周囲を笑わせながらも、レースではその卓越したドライビングスキルを見せつけました。このレースは、ブラバムの熟練の技と、若手ドライバーたちの奮闘、そしてマシントラブルなど様々な要素が絡み合い、非常にドラマチックな展開となりました。多くの観客を魅了し、F1の歴史に刻まれた一戦と言えるでしょう。

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