ロータス・33

ロータス 33 (Lotus 33)

ロータス33は、1964年にチーム・ロータスによって開発されたフォーミュラ1カーで、全長にわたるF1世界選手権での成功を収めたモデルです。この車両は、前モデルのロータス25を基盤として進化し、特にモノコックフレームの採用により、当時のF1カーに新しいスタンダードを設定しました。コーリン・チャップマンの指導の下、レン・テリーが設計を担当し、更なる性能向上に寄与しました。

メカニズム

ロータス33は、フォーミュラ1史上初めて本格的にモノコック構造を採用した車両であり、そのデザインの改良により、フレームの強度は大幅に向上しました。また、コヴェントリー・クライマックス製FWMVエンジンは4バルブ化され、ホイールベースも延長されることで、マシンの操作性とスピードが向上しました。特に1964年シーズンから供給を開始したダンロップの13インチワイドトレッドタイヤに適したサスペンションが搭載され、トランスミッションやドライブシャフトなども改良が施されています。

戦績

1964年シーズン

1964年4月18日、ロータス33の最初のバージョンであるR8が登場し、ジム・クラークがノンタイトル戦でデビューしましたが、レース中にアクシデントにより損傷。7月には復帰し、ソリチュードグランプリでポールポジション・ファステストラップ・優勝という結果を達成しました。オーストリアGPではサスペンショントラブルによるリタイア、イタリアGPでもエンジン不調からリタイアとし、クラークは1964年シーズンのチャンピオン争いで苦戦します。

1964年の最終戦、メキシコGPでは、クラークが優勝し、他の競技者の結果によりタイトル獲得が期待されましたが、メカニカルトラブルに見舞われ、敗北を喫しました。フェラーリのジョン・サーティースが最終周でタイトルを逆転する結果となり、クラークは連覇を逃すことになりました。

1965年シーズン

1965年のシーズンでは、ロータス33はさらなる性能向上を遂げました。ホイールリム幅が拡大され、トレッド幅も調整されました。この年、クラークとロータスは圧倒的な強さを見せ、オープニングレースの南アフリカGPでは新シャシーR10が登場し、グランドスラムを達成。さらに、モナコGPには欠場し、ベルギーGPではハットトリックを達成しました。

その後のフランスGP、イギリスGP、オランダGPでも連勝を記録し、早くもシーズン中にドライバーズ・タイトルを確定させました。しかし続くレースではリタイアが続き、最終戦メキシコGPでもリタイアを迎えました。

1966年と1967年

1966年、F1のエンジン排気量が3リッターに拡大し、ロータスは新たにBRM H16エンジンを搭載するまでの間、33を使用しました。この年、クラークはオランダGPで3位入賞を果たしたものの、ランキングは6位で終了。1967年にはモナコGPがロータス33使用の最後のレースとなり、クラークはリタイアに終わったものの、ヒルが2位でゴールしました。

まとめ

ロータス33はその革新性と競技レコードによって、フォーミュラ1史上にその名を刻みました。特に、ジム・クラークと共に築いた数々の成功は、後のF1カーにも影響を与える重要な存在となりました。

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