1968年の阪神タイガース

1968年の阪神タイガースのシーズン総括

1968年の阪神タイガースは、藤本定義監督の8年目となるシーズンでした。その年はチームの編成や選手の活躍が多くの話題を呼びました。監督就任以来の積極的な選手獲得が功を奏することが期待される中、果たして結果はどうだったのでしょうか。

チーム編成と補強

藤本監督は、打線の強化を図るために、広島から移籍した山内一弘の穴を埋める選手としてウィリー・カークランドを獲得しました。また、前年まで近鉄の選手兼任監督を務めていた小玉明利も加わり、チームは積極的に戦力を強化しました。そして、投手陣も江夏豊の成長や、ジーン・バッキー、村山実、若生智男、さらには前年の最優秀防御率を記録した権藤正利が控えるなど、万全の布陣が整いました。

こうした状況から、シーズン前から優勝候補とされるものでしたが、開幕からの不振はチームを苦しめました。特に開幕ダッシュに失敗し、序盤は思うような勝利を積み重ねることができませんでした。

後半戦の逆襲

しかし、シーズンが進むにつれて状況は変化しました。8月になると阪神は19勝2敗という好成績を収め、徐々に借金を返済し、9月にはついに2位に浮上しました。その後巨人との直接対決では、江夏の奪三振ショーが話題を呼び、ダブルヘッダーの初戦では正捕手辻佳紀がサヨナラ本塁打を放つなど、一時は優勝争いに絡みました。

だが、その後の対戦でバッキーが負傷し、先発選手が不足する事態に陥りました。これが響き、巨人との最終的な直接対決では1勝2敗で敗れ、4年ぶりの優勝は逃す結果となってしまいました。

投手成績と個人の活躍

チームの防御率は2.67でリーグ1位を記録しましたが、打撃成績は本塁打や打率ともにリーグ5位にとどまりました。しかし、個々の選手の力が目立ったシーズンでもありました。

特に江夏豊はシーズンを通じて素晴らしい成績を残し、初めての沢村賞を獲得しました。また、最多勝利・最多奪三振を獲得し、ベストナインにも選ばれるなど、将来のエースとしての地位を確立しました。

主な出来事

シーズンの中で記憶に残る出来事もいくつかありました。4月には球団通算2000勝を達成し、江夏はセ・リーグタイ記録の一試合16奪三振を記録するなど、その年の重要なマイルストーンとなりました。また、終盤の巨人戦では乱闘騒ぎが発生し、一時は出場選手間での激しい言い争いに発展するなど、緊張感のある試合が続きました。

監督の勇退

シーズンの終了後、藤本監督は高齢を理由に勇退することが発表されました。後任にはヘッドコーチの後藤次男が就任し、新たな阪神タイガースの幕開けが期待されています。このように1968年のシーズンは様々な試練と成果の中で、阪神タイガースの歴史に残る印象深い年となりました。

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