1970年の相撲

1970年の大相撲は、多くの出来事が重なり、相撲界にとって非常に変化に富んだ一年でした。この年、特に注目されたのは、北の富士勝昭と玉の海正洋の活躍です。二人は年間最多勝を分け合い、年間最優秀力士賞も同時に受賞するという、非常に稀な記録を打ち立てました。

大相撲の動向

1970年初場所は、横綱大鵬の休場により、横綱土俵入りがないという異例の状況で始まりました。しかし、この場所で北の富士が優勝し、その強さを見せつけました。場所後には、北の富士と玉乃島（後の玉の海）が同時に横綱に昇進するという、歴史的な出来事がありました。玉乃島は昇進と同時に玉の海と改名しました。

3月場所では、大鵬が復活し優勝を果たしましたが、7月場所では休場し、引退騒動が起こるなど、波乱がありました。しかし、大鵬はその後、引退を否定し、現役を続行しました。また、この年の5月場所から、仕切り線の間隔が60cmから70cmに変更されるなど、細かいルール変更もありました。

巡業では、ハワイ巡業が行われ、海外での相撲人気を盛り上げました。また、9月には、元横綱柏戸の鏡山が独立し、鏡山部屋を設立しました。

本場所の結果

1970年の各本場所の結果は以下の通りです。

一月場所: 北の富士勝昭が13勝2敗で優勝。殊勲賞は栃東、敢闘賞は黒姫山、技能賞は栃東が受賞。
三月場所: 大鵬幸喜が14勝1敗で優勝。殊勲賞は前乃山、敢闘賞は陸奥嵐、技能賞は錦洋が受賞。
五月場所: 北の富士勝昭が14勝1敗で優勝。殊勲賞は前乃山、敢闘賞は福の花、技能賞は大受が受賞。
七月場所: 北の富士勝昭が13勝2敗で優勝。殊勲賞は三重ノ海、敢闘賞は前乃山、技能賞は大麒麟が受賞。
九月場所: 玉の海正洋が14勝1敗で優勝。殊勲賞は貴ノ花、敢闘賞は龍虎、技能賞は大麒麟が受賞。
十一月場所: 玉の海正洋が14勝1敗で優勝。殊勲賞は長谷川、敢闘賞は福の花が受賞。

年間最優秀力士賞と年間最多勝は、北の富士と玉の海が共に受賞しました。

その他の出来事

1970年には、多くの力士が誕生し、また、惜しまれつつもこの世を去った力士もいました。また、行司の処分や、電光掲示板の変更など、相撲界全体として変化の多い一年でした。

1970年は、相撲界にとって、大きな転換期となった年と言えるでしょう。北の富士と玉の海の活躍、大鵬の引退騒動、そして、様々な出来事が、相撲史に深く刻まれました。

この年、大相撲は様々な出来事を通じて、新たな歴史を刻み、その後の相撲界の発展に大きな影響を与えたことは間違いありません。

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