1972-73 ABAシーズン

1972-73 ABAシーズン：激動と栄光の記録

1972-73年のABA（アメリカン・バスケットボール・アソシエーション）シーズンは、リーグの歴史において重要な転換期を迎えました。これはABAの6シーズン目にあたり、様々な出来事が展開されたシーズンでした。

チーム構成の変化

シーズン開始前には、ピッツバーグ・コンドルズとフロリディアンズが解散し、リーグは9チームで構成されることになりました。しかし、ABAは新たな試みとして、USキャピタル・コーポレーションの社長兼CEOであるレナード・ブルームに100万ドルで拡張フランチャイズ権を与え、カリフォルニア州サンディエゴを本拠地とするサンディエゴ・コンキスタドアーズが誕生しました。しかし、チームはサンディエゴ・スポーツアリーナを使用できず、ピーターソン体育館で試合を行うことになりました。また、メンフィス・タムズ（旧メンフィス・プロス）がイースタン・ディビジョンに移籍しました。

プレーオフの波乱

ABAファイナルでは、レギュラーシーズン最高成績のチームが優勝するという従来の構図がまたも崩れました。プレーオフMVPに輝いたジョージ・マクギニス率いるインディアナ・ペイサーズ（シーズン4位）が、ケンタッキー・カーネルズを4勝3敗で破り、見事2連覇を達成しました。この結果は、プレーオフにおけるチームの勢いや個々の選手の活躍が、レギュラーシーズンの成績以上に重要であることを示唆しています。

新設された賞

このシーズンから、ABAオールディフェンシブチームと最優秀役員賞（エグゼクティブ・オブ・ザ・イヤー）が新たに設けられました。これらの賞は、選手の守備力やチーム運営における貢献を評価するもので、ABAの多様な側面を称えるためのものでした。

主要な受賞者

ABA最優秀選手賞： ビリー・カニンガム（カロライナ・クーガーズ）
新人王： ブライアン・テイラー（ニューヨーク・ネッツ）
最優秀コーチ賞： ラリー・ブラウン（カロライナ・クーガーズ）
プレーオフMVP： ジョージ・マクギニス（インディアナ・ペイサーズ）
オールスターゲームMVP： ウォーレン・ジャバリ（デンバー・ロケッツ）
最優秀役員賞： カール・シェア（カロライナ・クーガーズ）

オールABAチーム

ファーストチーム

ビリー・カニンガム（カロライナ・クーガーズ）
ジュリアス・アービング（バージニア・スクワイアーズ）
アーティス・ギルモア（ケンタッキー・カーネルズ）
ジミー・ジョーンズ（ユタ・スターズ）
ウォーレン・ジャバリ（デンバー・ロケッツ）

セカンドチーム

ジョージ・マクギニス（インディアナ・ペイサーズ）
ダン・イッセル（ケンタッキー・カーネルズ）
メル・ダニエルズ（インディアナ・ペイサーズ）
ラルフ・シンプソン（デンバー・ロケッツ）
マック・カルヴィン（カロライナ・クーガーズ）

オールディフェンシブチーム

ジョー・コールドウェル（カロライナ・クーガーズ）
マイク・ゲイル（ケンタッキー・カーネルズ）
ジュリアス・ケイ（デンバー・ロケッツ）
ローランド・テイラー（バージニア・スクワイアーズ）
ウィリー・ワイズ（ユタ・スターズ）

オールルーキーチーム

ジム・チョーンズ（ニューヨーク・ネッツ）
ジョージ・ガービン（バージニア・スクワイアーズ）
ジェームズ・サイラス（ダラス・チャパラルズ）
ブライアン・テイラー（ニューヨーク・ネッツ）
デニス・ヴィーチク（カロライナ・クーガーズ）

1972-73 ABAシーズンは、チーム構成の変化、プレーオフでの番狂わせ、そして新たな個人賞の設立など、多くの出来事があったシーズンでした。このシーズンは、ABAがリーグとして成長し、進化していく過程を示すものであり、その歴史において重要な位置を占めています。

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