1974年の近鉄バファローズ

1974年の近鉄バファローズの振り返り

1974年、近鉄バファローズは新たなスタートを切りました。この年は、西本幸雄が監督に就任した初めてのシーズンで、チームの意識改革が図られました。前年はチームが期待されながら最下位に沈んだため、再起を目指す新監督に対する期待は大きく、彼の手腕に注目が集まりました。

西本監督は、1973年まで阪急で5度の優勝を果たした実績を持っています。新監督の就任に際し、近鉄バファローズはユニフォームを大胆に変更しました。両袖に赤をあしらったラグランスリーブの派手なデザインや、猛牛マークが炎と組み合わさった新たな衣装はファンにとって新鮮で、チームの再出発を感じさせるものでした。また、ビジター用ユニフォームも従来のグレーからライトブルーに変更し、全体的にイメージを一新しました。

さて、シーズンが始まると、近鉄バファローズは前期に5位、後期に4位でシーズンを終えました。この成績は一線級とは言えませんでしたが、西本監督のもとで投手陣は安定したパフォーマンスを見せました。鈴木啓示、神部年男、太田幸司の3選手がローテーションピッチャーとして活躍し、シーズンを通して一定の成績を残しました。

打撃面では、4番打者の土井正博や小川亨、南海から加入したクラレンス・ジョーンズがしっかりと結果を残しました。特にジョーンズは、移籍後初年度で本塁打王に輝く快挙を成し遂げました。このように選手たちの活躍により、チームはAクラスには届かなかったものの、借金を大きく減少させ、選手たちに自信をもたらすことにつながりました。

また、1974年の近鉄バファローズは前年の優勝チームである南海に対しては11勝11敗4分と健闘しましたが、優勝を果たしたロッテには9勝14敗3分と負け越してしまいました。こうした結果は、チームがまだ優勝争いに絡むには課題が多いことを示しています。

シーズンを終えた後、選手たちは自己の成績を踏まえ、さらなる成長を目指すことになります。西本監督の1年目はAクラスに入れませんでしたが、選手たちの成長やチームの方向性においては期待が持てる内容でした。この経験は、翌1975年シーズンの後期優勝へとつながり、近鉄バファローズの復活劇の序章とも言えるものでした。

最後に、注目すべきはオールスターゲームにおける選手たちの活躍や、翌年へ向けたドラフト活動です。選手たちの向上心が、新シーズンへの糧となることを願いながら、1974年の近鉄バファローズのシーズンを振り返ります。

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