1975年の近鉄バファローズ

1975年の近鉄バファローズの振り返り

1975年の近鉄バファローズは、チーム再建を目指し、大きな変革が行われたシーズンでした。この年は西本幸雄監督にとって2年目のシーズンであり、前年は5位という厳しい結果に終わったため、チームの体質改善が急務とされました。

チームの変革

まず、西本監督は長年チームの4番を務めた土井正博を放出し、新たに柳田豊や芝池博明といった選手を獲得しました。これにより、チームに新たな風が吹くことを期待したのです。若手選手の起用を進める中で、1979年にはチームが初優勝を果たす要素ともなる石渡茂や栗橋茂などの育成にも力を入れました。

投手陣と打撃陣の強化

投手陣においては、柳田の加入に加え、芝池が復帰したことで安定感が増しました。また、井本隆も後半戦において先発投手としての役割を果たすことになり、チームの投手力が向上しました。

打撃陣では、過去に甲子園を沸かせた島本講平が南海より途中移籍し、さらなる戦力アップに寄与しました。チームは前期を貯金1で3位につけ、チャンスを広げました。

後期の躍進

シーズン後半に入ると、移籍した土井の代わりにクラレンス・ジョーンズが4番に座り、特に新たに導入された指名打者制で存在感を示します。生え抜きの佐々木恭介などの主力選手の活躍もあり、チームは見事な成績を収め、後期に20の貯金を築いて初の後期優勝を達成しました。この瞬間は西本監督にとって特別なものであり、彼は胴上げされる光景が広がりました。

プレイオフでの挑戦

シーズンの勝率は前期優勝の阪急を上回る成績を残し、プレーオフに進出しました。初戦で阪急に対し、11対7の乱打戦を制するものの、その後は阪急投手陣の巧妙な投球により、打線が沈黙し、最終的には1勝3敗で阪急に敗北しました。これにより、西本監督の胴上げは実現しませんでしたが、完全優勝を逃したものの、近鉄が後期優勝を果たした意義は非常に大きいものでした。

結論

この1975年のシーズンは、弱小球団とされていた近鉄が着実に力を付け始めた年であり、オーナーの佐伯勇も感慨深いものがあったことでしょう。チーム全体の結束力や若手選手の台頭が見られたこのシーズンは、近鉄バファローズにとって特別な意味を持つものでした。

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