1977年の近鉄バファローズ

1977年の近鉄バファローズの戦績と変遷

1977年、近鉄バファローズは西本幸雄監督の4年目のシーズンを迎えました。この年は前年の4位という成績を踏まえ、西本監督は「今年こそAクラスに戻る」という強い意志を示しました。

シーズン開幕前、チームには再び優勝への期待がかかっていました。しかし、前期は強豪の阪急や南海との競り合いが続き、最後には阪急に優勝を許し、近鉄は3位で前期を終えることとなりました。特に後期は、ロッテや阪急を追い越すことはおろか、最下位に転落する苦しい展開が待ち受けていました。前年に比べて打撃の不振が顕著であり、チームは後期も勝敗を重ねられず、結局、Aクラス入りは達成できませんでした。

投手陣は幸運なことに安定していました。エースの鈴木啓示を中心に、神部年男、太田幸司、井本隆、柳田豊がローテーションを形成し、チーム全体で54完投という成績を残し、リーグ内で2位に輝きました。鈴木の試合には有田修三がキャッチャーとして出場し、井本の試合では梨田昌孝がサポートする形を取りました。鈴木と梨田のコンビネーションも見所がありました。

一方で打撃陣は苦戦しており、特に4番のクラレンス・ジョーンズが年齢を理由に成績を落としてしまうという課題がありました。この打撃不振がチーム全体に波及し、勝利を重ねることができなかった要因となりました。

ユニフォームは1974年から使用されていたデザインが継続され、左袖には岡本太郎デザインの猛牛マークが戻り、選手の名前も背番号の上に記されるような形でマイナーチェンジが行われました。

シーズンが終了すると、長年近鉄に貢献してきた大ベテラン、米田哲也が引退を表明しました。彼の存在は球団にとって特別なものであり、多くのファンから惜しまれることとなりました。

このように1977年の近鉄バファローズは、公式戦の結果としては期待外れな成績で終わりましたが、若手選手の成長や投手陣の頑張りなど、ポジティブな要素も併せ持っていたシーズンでした。来る年にはさらなる奮起を期待させる内容となりました。

もう一度検索