1978年の読売ジャイアンツ

1978年の読売ジャイアンツの総括

1978年の読売ジャイアンツは、長嶋茂雄監督にとって4年目のシーズンであり、特に注目された年となりました。この年のジャイアンツは、前の2年で日本シリーズに敗れた教訓を生かし、戦力の補強に注力しました。ドラフト会議では山倉和博を獲得し、さらに大洋からジョン・シピンを迎え入れることで、万全の体制でシーズンに挑みました。

シーズン開始当初、ジャイアンツは大洋と共に首位争いを繰り広げていましたが、特に6月にはヤクルトも加わり、三つ巴の接戦が続きました。しかし、7月に入ると状況は急変します。6日の広島戦では、三投手による10四球のワースト記録をたたき出し、大敗を喫しました。さらに、ヤクルト戦ではシピンが死球を受けたことから激怒し、鈴木康二朗に暴行を働くという騒動が起こりました。この試合では先発のクライド・ライトも降板を命じられ、興奮のあまり帰宅するという事態に。

それでもジャイアンツはその後に9連勝を達成し、一気に順位を上げました。8月下旬にはヤクルトに4.5ゲーム差をつけるまでの好成績を収め、マジック点灯が間近に迫ります。しかし、その後の直接対決では思うような結果が出ず、2敗1分けという結果に終わりました。このことがチームの失速につながり、ヤクルトは勢いに乗る一方、ジャイアンツは下位チーム相手に取りこぼしを続けました。ついにはヤクルトのマジックが点灯し、ジャイアンツは10月4日に優勝の可能性を失いました。

投手陣は3.61のチーム防御率でリーグ1位、29セーブもリーグ最高となりましたが、打撃陣は136本塁打でリーグ5位にとどまり、特にベテラン選手の衰えが目立ちました。この結果、チーム内では世代交代の必要性が論じられるようになります。2位に終わったものの、10月1日には水原茂がテレビ番組で長嶋監督の采配について厳しい意見を述べ、伝統あるジャイアンツの優勝を逃した責任を問う声が高まりました。長嶋監督は豊富な戦力を有しながらも、その采配には疑問が呈されました。

シーズン後、11月21日には江川卓との契約が強行され、これが江川事件の発端となります。江川は当初、ライオンズに指名されながら拒否しており、後に巨人と契約を結ぶことになります。この年の出来事は、ジャイアンツの運営に大きな影響を与えることとなり、以降のシーズンにも多くの波紋を呼ぶことになりました。

できごと

• - 4月5日: 横浜スタジアムでの試合で、柳田真宏がその球場の開場初本塁打を記録しました。
• - 6月14日: 阪神戦で王貞治が1949打点を達成し、張本勲が2828安打を記録するなど、1試合で2つの日本新記録が生まれました。
• - 7月10日: シピンが激怒し退場、同日にライトも暴行沙汰を起こし、シーズン後に引退を表明。
• - 8月30日: 王貞治が800号本塁打を記録。
• - 11月21日: 江川卓との契約が発表されましたが、リーグ会長から却下される珍事が発生。

このように1978年の読売ジャイアンツは、監督の采配と選手の行動が大きく取り上げられた年であり、数多くのドラマを生むこととなりました。

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