1978年の近鉄バファローズ

1978年の近鉄バファローズのシーズン回顧

1978年の近鉄バファローズは、監督・西本幸雄の5年目のシーズンとして、多くのドラマを生み出しました。新たな外国人選手のクリス・アーノルドとジョー・リスを迎え入れ、チームの体制を一新しましたが、前期は阪急に独走を許し、結果として2位でシーズンを終えました。

シーズンの前半は厳しい展開となり、阪急が圧倒的な強さを見せました。しかし、帽子のデザインをBマークから猛牛マークに変更した後期には、チームは新たな勢いを見せ、開幕10試合で7勝2敗1分と好スタートを切ります。この頃は選手たちの士気も高まり、楽しむ姿が印象的でした。

その後オールスターゲームを挟んで、再び阪急が首位をよぎる中、近鉄も決して諦めることなく、9月には驚異的な13勝3敗のペースで連勝街道を突き進みました。しかし、9月23日の阪急との後期最終戦では、先発投手・鈴木啓示がボビー・マルカーノに2ランを浴びるなど4失点し、打線も山田久志の前にわずか1得点に抑えられ、敗戦を喫することになります。この結果、阪急に優勝を決められました。

投手陣の中でも、1973年からローテーションに加わっていた太田幸司が苦しみ、わずか1勝にとどまる一方、鈴木や神部年男、井本隆といった投手たちが活躍し、完投数や防御率ではリーグ2位を記録しました。特に鈴木は25勝を上げ、その存在感を示しました。

打撃陣に目を向けると、佐々木恭介が.354の成績で首位打者に輝きました。他の選手、羽田耕一、小川亨、栗橋茂もそれぞれに確かな成績を残しましたが、全体的なチーム打率はリーグ4位に留まりました。また、盗塁数では阪急に次ぐリーグ2位だったものの、本塁打数は阪急に比べて60本程度少なく、戦力としての迫力が不足していました。栗橋が最多の20本を記録するにとどまりました。

シーズン終了後には、2番手エースの神部年男がチャーリー・マニエルとのトレードでヤクルトに放出されるという驚きの展開も見られました。また、ユニフォームは新たにベルトカバー式に変更され、チームのイメージも一新しました。

この1978年のシーズンは、勝敗だけでなく選手たちの成長やチームの団結力を再認識させた一年となり、ファンにとっても記憶に残るシーズンとなりました。

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