1980年大韓民国大統領選挙

1980年大韓民国大統領選挙の概要

1980年8月27日に実施された大韓民国の第11代大統領選挙は、政治の激動に富んだ時期の中で行われました。この選挙は全斗煥中央情報部部長代理が選ばれるもので、彼の当選は政治における重要な転機を示しています。

背景

1979年10月26日、当時の大統領であった朴正煕が暗殺され、この出来事は韓国社会に大きな衝撃を与えました。朴正煕の暗殺後、全斗煥は政府の実権を掌握し、急速に権力を強化していきました。彼は陸軍保安司令官としての地位を持っており、これにより軍事的な支持を背景に権力を強化しました。

1980年5月30日には、全斗煥は国家保衛非常対策委員会の常任委員長に就任し、自らの地位をさらに確立しました。この機関は大統領の補佐機関として機能し、彼の政治的基盤を支える重要な役割を果たしました。

選挙の経緯

選挙が行われる前の8月16日、前大統領の崔圭夏は突然辞任を表明しました。彼は「この国における平和的な政権交代の模範を示すため」と述べ、辞任に至りました。その結果、朴忠勲が権限代行として大統領職を引き受けました。これにより、全斗煥は選挙日の8月27日を迎えることになります。

選挙は奨忠体育館で開催され、国民から選ばれた統一主体国民会議の代議員が投票を行いました。この選挙では、全斗煥のみが立候補者とされ、彼は過半数の賛成を得て当選を果たしました。

全斗煥の大統領就任

1980年9月1日全斗煥は正式に第11代大統領に就任し、翌日の9月2日には首相に南悳祐を任命しました。南悳祐は朴正煕政権時代に重要な役職を歴任しており、全斗煥の内閣は強固な経済政策を推進する体制を整えることとなります。

選挙制度と結果

この1980年の大統領選挙は間接選挙で行われ、統一主体国民会議の代議員200人以上の推薦を受けることが候補者の条件でした。全斗煥はこの条件を満たし、代議員の過半数の賛成を得たことで当選が決まったのです。選挙の際には、代議員による客観的な評判や意見が重要視され、彼の当選が韓国の政治に与える影響は計り知れません。

この選挙は、韓国の政治における権力の移行と全斗煥という人物の台頭を鮮明に示す出来事であり、後の韓国の歴史に大きな影響を与えることとなりました。

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