1981年の全日本F3選手権

1981年全日本F3選手権概要

1981年の全日本F3選手権は、3月初旬に鈴鹿サーキットで幕を開け、同年の秋に再び鈴鹿でその歴史に終止符を打ちました。このシーズンは全9戦が行われ、その結果が多くのモータースポーツファンの胸を熱くしました。1979年から開始された日本F3シリーズは、1979年頃から日本自動車連盟（JAF）の追認を受け、正式に「全日本F3選手権」としての地位を持つようになりました。

マシントレンドの移り変わり

1981年は、従来の大きなフロントノーズを持つスポーツカーから、スリムなフロントノーズとサイドにラジエーターを設置したウイングカーへと明確な移行が見られました。これは欧州地域で確立されたトレンドを日本国内に取り入れるもので、競技に出場するためのマシン選びが激化する中、注目を集めました。

特に、イギリス製のマーチやラルトといった名門コンストラクターに対抗する形で、日本のハヤシレーシングは自らのウイングカー「ハヤシ・320」を開発しました。このマシンにはケン松浦チューンによるトヨタ・2TGエンジンが搭載され、ドライバー中子修が開幕戦で勝利を収めるという快挙を成し遂げました。

チャンピオン争いの激化

開幕戦以降、前年から参加していたマーチ製シャシーを駆るドライバー萩原光と中子修の間でチャンピオン争いが繰り広げられました。どちらも素晴らしいパフォーマンスを見せ、レース毎に勝者が交替する競り合いは非常にエキサイティングでした。最終戦に至るまで、観客を魅了する熱戦が続いた結果、シリーズ全体での勝利数が両者間で拮抗していました。

シーズンの終わりに差し掛かった最終戦、数々の名勝負を経て、ついに中子はこのレースで4勝目を挙げました。一方で、萩原は中子を追い詰めるものの、自身のミスによってエンジンにトラブルを抱え、思うような結果を残せませんでした。この結果、中子は1981年シリーズチャンピオンの栄冠を手にしました。

シリーズの評価と今後の展望

1981年の全日本F3選手権は、マシンの進化だけでなく、ドライバー間の戦い方にも新たな風を吹き込みました。若手ドライバーが活躍する場として、全日本F3選手権は、将来のフォーミュラーレースを担う逸材の発掘にもつながる重要なカテゴリとして位置付けられました。

これからのF3シリーズにおいても、このような熱戦が繰り広げられ、さらなる進化を遂げていくことを期待されます。

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